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Elämäプロジェクト

エラマの森の皆さん、こんにちは!フィンランド生涯教育研究家の石原侑美です。

先日、全4回にわたってお届けした「フィンランドの基礎を学ぶコース 〜なぜフィンランドは幸福度1位なのか〜」が無事終了しました。ご参加くださった皆さん、本当にありがとうございました!

全4回を通して見えてきたのは、フィンランドの魅力だけでなく、日本人である私たち自身が、何を大切にしたいのか、どんな未来を描きたいのか、という問い。

8時間、フィンランドと向き合ったからこそ見えたこと

「フィンランド」というフィルターを通して、歴史、社会、文化、デザイン、芸術…と、さまざまなテーマを深く掘り下げていく中で、参加者の皆さんの熱意に触発され、私自身も新たな気づきを得ることができました。

今回のコースでは、一方的な講義ではなく、参加者の皆さんと共に「体験」を創り出すことを大切にしました。クイズ形式で知識を深めたり、ブレイクアウトルームで意見交換をしたり、時には音楽を聴きながら、心に浮かぶ風景を共有したり…

最終回には、「あなたにとってのアートとは?」という問いを投げかけ、参加者の皆さんの価値観や人生観に触れることができました。フィンランドというキーワードを軸に、多岐にわたるテーマを扱い、対話を重ねたことで、参加者それぞれが、自分自身の軸となる価値観を再確認できたのではないかと感じています。

コースで辿った「フィンランドの根っこ」

このコースでは、フィンランドという国が育んできた価値観や文化を、4つのテーマを通して立体的に捉えました。

第1回:フィンランドの歴史、地理、国際関係

フィンランドという国を理解するための土台となる、歴史、地形、気候、そして国際関係。スウェーデン統治時代、ロシア帝国時代、そして独立という3つの時代を紐解き、地形の特徴や国際社会との関わりを学びました。

第2回:フィンランドの現代社会、教育、福祉

手厚い社会保障制度や、個性を尊重する教育制度。その根底にある「ウェルビーイング」の考え方を、具体的な事例を通して学びました。

第3回:フィンランドのデザイン、芸術

マリメッコやイッタラといったデザイン、シベリウスの音楽、国民的叙事詩「カレワラ」…。フィンランドの文化と芸術に触れ、その根底にある自然への敬意や、機能美を追求する精神を学びました。

第4回:フィンランドの文化、暮らしと日本との類似性

サウナ、食文化、言語…フィンランドの暮らしに焦点を当てながら、日本との共通点を探ることで、普遍的な価値観に気づきました。アニミズム的な思想や、自然との共生を大切にする文化は、私たち日本人の心の奥底にも響くものがあるのではないでしょうか。

フィンランドから見えてきた、日本の未来

今回のコースを通して、フィンランドと日本の文化や精神性に根付く、困難を乗り越えていく力や、平穏を求める心に触れました。
全く違う国でありながらも、どこか通じ合う部分がある。そんな2つの国の価値観を融合させ、新しい価値観を創造していくことこそ、私たちが目指すべき未来なのではないか。そんな可能性を感じています。

参加者の皆さんからいただいた声

参加者の皆さんからは、たくさんの嬉しいお声をいただきました。

「フィンランドの文化や暮らしについて、より深く知ることができた。」

「これまでの学びが繋がり、フィンランドの幸福の理由が見えてきた。」

「自身のライフスタイルを見直すきっかけになった。」

「フィンランドと日本の意外な共通点に驚いた。」

さあ、あなたは何を始めますか?

今回のコースが、皆さんにとって、明日からの生活をより豊かにするための、小さなきっかけになれば嬉しいです。

今回のコースで、フィンランドの教育についてもっと知りたい!と思った方は、ぜひ【オンライン】フィンランドの教育を全部学ぶコース ものぞいてみてください。フィンランドの先生やコーディネーターのようなプログラムを作ることを目指し、より実践的な内容でお届けする講座です。

【オンライン】フィンランドの教育を全部学ぶコース

今回のコースにご参加いただいた皆様、そして、ここまで読んでくださったあなたに、心からの感謝を込めて。

Kiitos!(キートス!:ありがとう!)

石原侑美(フィンランド生涯教育研究家)

みなさん、こんにちは!エラマプロジェクトです。
今日は、私たちがいつも発信している「和フィン折衷」について、少し深掘りしてみようと思います。

「和フィン折衷」とは、なんだか難しい言葉に聞こえるかもしれませんが、実はとてもシンプルなんです。
簡単に言うと、日本(和)とフィンランド(フィン)の良いところを混ぜて、新しい何かを生み出そう!という、エラマ独自のコンセプトなのです。
ただ単に文化を比べるだけでなく、それぞれの良さを理解し合って、今の私たちの暮らしをもっと面白く、豊かにしていくのが目的です。

和フィン折衷の、ここが魅力です!

文化の融合: 日本の繊細な美意識と、フィンランドのシンプルで機能的なデザインが合わさると、本当に新しい発見があるのです。

異文化理解の促進: まったく違うように見える文化も、よくよく見てみると共通点があったりして面白いです。そこから、新しい「気づき」が生まれるのです。

実践的なアプローチ: 理想論だけではなく、実際に私たちの生活に取り入れられるようなアイデアを、みんなで試行錯誤していくのがエラマ流です。

フィンランドのRajatonの曲に乗せて伝統舞踊・剣詩舞パフォーマス

具体的にどんなことをしているのでしょうか?

たとえば…

デザインやモノづくり: フィンランドのデザインを参考に、日本の伝統工芸をアップデートしてみたりします。

生き方改革: フィンランドの「シス(SISU)」という、困難に立ち向かう精神と、日本の「根性」を掛け合わせて、タフでしなやかな生き方を探求したりします。

自然との付き合い方: 日本とフィンランドは、どちらも四季が豊かな国なので、それぞれの自然観を参考に、もっとサステナブルな暮らし方を見つけたりします。

子育てや教育: フィンランドの自由な教育と、日本の伝統的な教育の良いところを組み合わせて、子どもたちが自分らしく伸び伸び育つような新しいアプローチを考えたりします。

着物とマリメッコを合わせたファッションを実践する和文化エバンジェリストの橘茉里先生

エラマプロジェクト、こんな活動をしています!

「和フィン折衷」をみなさんに知っていただき、一緒に楽しむために、エラマはこのような活動をしています。

トークイベント&ワークショップ: フィンランドと日本の文化に詳しい方々をお呼びして、みんなで語り合ったり、実際に手を動かして体験できる場をつくったりします。

メディア発信: ブログやYouTubeで、私たちの活動や、和フィン折衷の魅力を発信しています。

体験型イベント: 和フィン折衷を体感できるイベントを企画しています。みんなでワイワイ楽しみましょう。

コミュニティ「エラマの森」: オンラインやオフラインで、みんなで繋がれる場所です。気軽にお話できる仲間を見つけてください。

「和フィン折衷」で、どんな未来が待っているのでしょう?

新しい視点の獲得: 自分の文化を客観的に見つめ直すことで、新たな価値観に気づけるかもしれません。

創造性の促進: 違う文化の要素が組み合わさることで、予想外のアイデアや解決策が生まれる可能性が大きいです。

グローバルな視点: 異文化を理解することで、世界はもっと広がるでしょう。国際人としての第一歩を踏み出しましょう。

人生が豊かに!: 両方の文化の良いところを取り入れることで、毎日がもっと楽しく、充実したものになるはずです。

エラマの「和フィン折衷」は、ただの文化交流ではありません。
もっと自由で、もっとワクワクする、新しい生き方を見つけ出すための冒険なのです。
日本とフィンランド、そして世界中の文化の魅力を再発見して、みんなで一緒に、もっと豊かな暮らしを創造していきましょう!

そして、そのヒントをさらに深めるために、ぜひこちらの無料オンライン講座にご参加ください!

和フィン折衷の研究講座
〜和文化とフィンランドの五感を使う文化〜

日時: 2月19日(水) 21:00〜21:30
場所: エラマYouTubeチャンネルにて配信
参加費: 無料

内容:
フィンランドと和文化の視点から、「豊かで幸せな自分らしい生き方」を探求します。
今月のテーマは「五感を使う文化」。日本の美意識とフィンランドの自然への敬意を、五感を通して体感します。

講師は、フィンランド生涯教育研究家の石原侑美と、和文化伝道師の橘茉里。家庭料理や手作り料理にも焦点を当てながら、文化の奥深さを紐解きます。

↓画像をタップして詳細を確認!

一緒に、新しい文化の扉を開きましょう!

いつもエラマのWebサイトをご覧いただきありがとうございます。

この度、エラマでは、フィンランドの教育を深く学び、実践に活かすためのオンラインコースを開講することになりましたので、ご案内いたします。

なぜ、今フィンランドの教育なのか?

フィンランドの教育は、世界的に高い評価を受けており、その教育の質の高さは、国連機関の世界幸福度ランキングで6年連続1位を獲得していることからも明らかです。

・教員は修士課程修了が必須
・成人教育の学び直しやリスキリングが盛ん

この背景には、単なる知識の詰め込みではなく、個人の主体性や幸福度を重視する教育理念があります。本講座では、フィンランドの教育を単なるデータや表面的な情報としてではなく、具体的な授業作りや教育コミュニティのあり方に焦点を当てて、深く掘り下げていきます。

【オンライン】フィンランドの教育を全部学ぶコース

本コースでは、フィンランド生涯教育研究家・石原侑美が7年間の研究成果を余すところなくお伝えします。資料研究や講演会はもちろんのこと、フィンランドの学校視察や教員へのインタビューを通して得た独自の知見を、ワークショップ形式で楽しく学んでいただけます。

コースのポイント

フィンランド生涯教育研究家が講師
・7年間フィンランドの教育を研究し続けている石原侑美が講師を務めます。

実践的なプログラムや授業のアイデアワーク
フィンランドの先生やコーディネーターが使用している教材やカリキュラムレシピを共有し、実践形式のワークを行います。

本気で学びたい人向け
カメラ・マイクONで積極的に参加するタイプの講座です。
「アイデアの枠を広げたい」「フィンランドの教育について深く学びたい」という気持ちが高い方におすすめです。

コース内容

各回2時間、全4回で構成されています。

第1回: フィンランドの教育・基本編
フィンランドの教育制度や歴史について学び、「教育」の定義を体感します。

第2回: 教育メソッドを知る
フィンランドの教育メソッド(教科横断型のカリキュラム、ウェルビーイング教育など)を学び、授業や教材作りに活かします。

第3回: キャリア教育と生涯教育
フィンランドのキャリア教育、成人教育、図書館や民俗学校の役割について学びます。

第4回: 教育・教員の学びと評価方法
フィンランドの教員のコミュニティ、成績評価の方法を学び、参加者同士で対話します。

コース終了後

コース終了後、課題提出をしていただくことで修了証を発行いたします。(※課題提出は任意)

・課題提出+全4回リアルタイム出席:木の修了証
・課題提出+1回以上アーカイブ受講:電子ファイル(PDF)修了証

開催概要

日時:
第1回:2025年3月10日(月)20:00~22:00
第2回:2025年3月17日(月)20:00~22:00
第3回:2025年3月24日(月)20:00~22:00
第4回:2025年3月31日(月)20:00~22:00

場所: オンライン(Zoomミーティング)

料金:
一般受講料:33,000円(税込)
学生受講料:22,000円(税込)
エラマの森会員様:11,000円(税込)
再受講(エラマの森会員限定):無料

対象:
・教員や教育関係者
・学校や塾の授業や教材作りの新たなアイデアが欲しい方
・研修講師やコーディネーター
・企業などの研修現場で使えるアイデアが欲しい方
・フィンランドの教育に高い関心がある方

お申し込み

下記リンクより詳細をご確認の上、お申し込みください。

https://elama.be/workshop-event/fineducourse-202503/

過去の受講者の声

Aさん(教員、女性)
新しい発見が多く、これまでの自分の実践を振り返る良い機会になりました。グループチャットで様々な環境の方と話せたのも刺激的でした。特に、フィンランドの教育現場でのICT活用や、図書館が地域の人々に開かれている点に感銘を受けました。学んだことを、日本の教育現場でも活かしていきたいです。

Kさん(会社員、女性)
多様な考えに触れ、自分の気持ちや考えを聴く良いきっかけになりました。特に、フィンランドの先生が「私たちには浸透しなかったから、無理に取り入れるのをやめた」というエピソードから、柔軟な姿勢と「私たちにとって何が必要か」を基準に判断することの大切さを学びました。自分の仕事や、自分自身の人生を生きるというテーマにも繋がると感じています。

Sさん(大学生、女性)
「教育」に対する偏見が変わり、もっと柔軟に考えて良いという選択肢が生まれました。信頼、自由といったキーワードが印象的で、学びをもっと身近に、楽しくしていく軸を見つけられました。視野が広がり、刺激を受け、日本とフィンランド両方の良さを再認識できた、充実した4週間でした。

講師紹介

石原 侑美

・フィンランド生涯教育研究家、エラマ合同会社 代表
・早稲田大学大学院アジア太平洋研究科の修士課程修了(国際関係学)
・ブランド・マネージャー認定協会のトレーナーとしてブランドコンサルティングに従事
・「人のアイデンティティはどのように形成されるか」を人生の研究テーマとし、ビジネスにおけるブランディングと国際関係学のアプローチから追究
・現在は、フィンランド生涯教育研究家として、人が「わたしの人生を生きている」実感はどのように持てるのかを研究、実践、研修、講座を通して活動

皆さまのエントリーを心よりお待ちしております。

いつもエラマプロジェクトの活動にご関心をお寄せいただき、誠にありがとうございます。

この度、エラマ図書館(岐阜県高山市)にて、「北欧エラマカフェ」 を開催することになりましたので、ご案内いたします。

北欧のゆったりとした時間を、エラマ図書館で

フィンランドの図書館をイメージした落ち着いた空間で、こだわりのコーヒーを片手に、ゆったりと心静かなひとときをお過ごしください。
北欧デザインに囲まれ、まるでフィンランドを旅しているような気分を味わえます。

エラマを通じてフィンランドへの旅を夢見る方にも、ぜひお越しいただきたい空間です。

【こんな方におすすめ】

・北欧のライフスタイルやデザイン、ゆったりとした時間に興味がある方
・こだわりのコーヒーを味わい、リラックスしたい方
・いつかフィンランドへ行ってみたいという夢をお持ちの方

【イベント内容】

エラマショップ(北欧&和雑貨):フィンランドの木工雑貨や、オリジナルのお香など、温もりと文化を感じられるアイテムを販売します。

・エラマbouzuコーヒー:北欧ロースタリーの豆を使用したドリップコーヒーと、北欧のお菓子をお楽しみいただけます。

・フィンランド旅行無料相談会:学びのある旅を作るプロが、あなただけの旅行プランを提案します。

写真展:フィンランドの美しい風景や人々の暮らしを写した写真展を開催。

【開催概要】

日時: 2025年3月15日(土) 10:00~15:00
場所: エラマ図書館 (ウッドフォーラム飛騨2階)
住所: 〒506-0102 岐阜県高山市清見町三日町165
入場料: 無料
予約: 不要、入退場自由

詳細はこちら
https://elama.be/workshop-event/nordiccafe202503/

北欧のゆったりとした時間を、ぜひエラマ図書館でお過ごしください。
皆様のお越しを心よりお待ちしております。

2024年11月30日(土)、名古屋市の森の会議室にて、「北欧フィンランド・ウェルビーイング現地調査&ツアー報告会 〜サステイナブルな暮らし、学校教育、働き方〜」が開催されました。本イベントは満席となり、盛況のうちに幕を閉じました。

フィンランド生涯教育研究家の石原侑美が、2ヶ月に渡る現地調査・研究滞在、そしてツアー実施の成果を報告する貴重な機会となりました。参加者は、エラマの森会員の方からエラマプロジェクトやフィンランドに初めて触れる方、そしてツアー参加者までと幅広く、約17名が集まりました。

会場は「森の会議室」という名にふさわしく、森の自然に囲まれたようなリラックスした雰囲気。コーヒー、フィンランドのお茶、お菓子を楽しみながら、参加者は石原氏の報告に熱心に耳を傾けていました。

報告会では、フィンランドの基礎知識から始まり、サステイナブルな社会づくりとウェルビーイングな暮らし、働き方とウェルビーイング(職業教育)といったテーマに深く切り込みました。小中一貫校やスマートシティ、ゼロウェイストレストラン、オーガニックハーブ農園といったサステイナブルな社会を支える現場、そして職業専門学校や森林ウェルビーイングプログラムといったフィンランドならではの働き方への取り組みが紹介され、参加者に多くの学びと刺激を与えました。

また、石原氏が現地で買い付けてきた北欧雑貨の販売もあり、イベントをさらに彩りました。

報告会後には活発な質疑応答や参加者同士の交流が行われ、イベント終了後も1時間ほど会場に残って対話を続ける姿が見られました。フィンランドの文化に触れるだけでなく、「豊かさとは何か」「幸せな生き方とは何か」といった本質的な問いについて考え、共有する貴重な時間となりました。

名古屋での報告会は大盛況のうちに終了しましたが、フィンランド・ウェルビーイング現地調査&ツアー報告会は、岐阜県高山市(12月4日)、三重県伊賀市(12月7日)、オンライン(12月19日)でも開催予定です。ご興味のある方は、ぜひご参加ください。

12月のエラマの学校の開催予定

2024年10月13日(日)~19日(土)、エラマプロジェクトでは「北欧のシリコンバレー」フィンランド・オウルにて、「フィンランド・オウルで働き方とウェルビーイングを学ぶプログラム」を実施しました。本レポートでは、参加者である平田萌さん(人事のプロ、キャリアコンサルタント)の体験に基づいた、フィンランドの働き方とウェルビーイングに関する考察をお届けします。

ツアー概要

日時: 2024年10月13日(日)~10月19日(土)
場所: フィンランド・オウル(現地集合・現地解散)
特徴: 職業専門学校または大学の視察、現地のライフスタイル専門家との懇談、森林プログラム体験、ボートサウナ体験

人事のプロが見たフィンランド:参加前の期待と現実

平田さんは、2024年春からフリーランスの人事として独立したばかり。 フィンランドの「幸せな働き方」を学び、自身の独立後の人生に活かしたいという強い思いで本ツアーに参加しました。 参加前は、フィンランドの高い1人あたりのGDPと短い労働時間から、日本のビジネスパーソンにはない高度な「仕事術」や「チームワーク」の存在を期待していました。しかし、ツアーを通して得た結論は「予想外の気づき」でした。

ツアーを通しての3つの気づき

ツアーを通して平田さんが得た3つの大きな気づきは、

1. 「かっこいい人」の定義の違い

フィンランドの職業専門学校で講演を行った元校長・ニコさんとの出会いを通して、平田さんは「かっこいい人」の定義が日本とフィンランドで大きく異なることを学びました。日本では仕事を頑張る人がかっこいいと見られ、「長く働き業務量をこなす」「生産性が高い」「成果を出す」ことが会社で評価される傾向がありますが、ニコさんは「人生に余裕のある人」こそが魅力的だと語ったのです。この考え方は、平田さんにとって衝撃的なものでした。

2. 自然と共にある休憩時間

ニコさんの講義中には、自然の中で休憩を取る時間がありました。参加者たちは、森を散歩し、気に入った葉っぱを持ち帰るなど、仕事とは全く異なることに意識を集中させました。この経験を通して、平田さんは「自然の中で過ごすだけでなく、意識して仕事を忘れることで切り替えてリフレッシュできる」ことを実感。そして、日本でも短い休憩時間(5~10分)をこまめにとることで、仕事への集中力や生産性を高められる可能性に気づきました。

3. まずは「自分」をケアする

ツアー最終日のモニカさん(フィンランド在住の日本人ライター)とのワークショップで、「日本人は周りに優しく、自分自身を後回しにする傾向がある」という指摘を受けました。モニカさんは「まずは自分をケアすること。自分が元気だからこそ、新しいことへの意欲が湧いてきたり周りの人に寛容になれる」と語りました。平田さんは、この言葉が、日本の働き方改革や人間関係の改善、そして自身の幸せな生き方につながるヒントだと感じました。

ツアー後の変化と今後の展望

ツアー後、平田さんは、フィンランド流の働き方を日本にそのまま導入することは難しいと考えながらも、いくつかの実践可能な方法を考案しました。

そして、この経験と気づきを基に、島根県でフィンランドをテーマにしたコワーキングスペース「majakka(マヤッカ)」(フィンランド語で「灯台」の意)を始めることことを決意。(正式には前任者から引き継いで、2024年冬から新体制としてスタート)迷える人たちの「灯台」となるような場所を目指し、活動していくとのことです。

編集後記

平田さんのレポートは、フィンランドの「幸せな働き方」を具体的なエピソードとともに紹介するだけでなく、日本社会における働き方や生き方への深い洞察を示唆するものでした。 ツアー参加者の方々からも温かいコメントが寄せられ、本プログラムの意義が改めて確認できました。 来年の5月には第2弾ツアーの開催も決定しています。 より多くの皆様に、フィンランドの「幸せ」を体感していただきたいと考えています。

エラマのツアープログラムの予告と詳細はこちら

2024年11月10日、Gozar新宿御苑にて、フィンランド生涯教育研究家 石原侑美による「フィンランド調査研究滞在報告会」を開催いたしました。

本報告会は、石原が2024年8月から10月にかけて行ったフィンランドでの2ヶ月間の調査研究滞在、そして現地ツアー実施の成果を皆さまと共有する貴重な機会となりました。物価上昇や大統領選、移民問題など、社会変化の渦中にあるフィンランドの“今”を、研究者視点と現地で活動する実践者視点の両面から紐解き、フィンランド社会の柔軟な対応力や人々のマインドセットに迫りました。

当日は、午前と午後の二部構成で開催。

【午前:北欧フィンランド・ウェルビーイング現地調査&ツアー報告会(10:30〜12:00)】

フィンランドのウェルビーイングな社会の取り組みと暮らしに焦点を当て、9月に実施された現地ツアーの報告を中心に行われました。小中一貫校やスマートシティ、ゼロウェイストレストラン、オーガニックハーブ農園といった訪問先での体験談に加え、一般家庭訪問や森散策の様子も紹介され、フィンランドのリアルな暮らしが鮮やかに伝えられました。

【午後:北欧フィンランドの教育とライフスタイルの講座〜なぜフィンランドは幸福度が世界一位なのか〜(13:30〜15:00)】

7年間のフィンランド教育研究の集大成ともいえる本講座では、石原さんの豊富な知見に基づいたフィンランド教育の真髄が語られました。2024年に視察した学校(小中一貫校、高等学校、職業専門学校)の様子や、フィンランドの職業教育とウェルビーイングの関係性、働き方やライフワークバランスのマネジメント方法など、多岐にわたる内容が展開されました。

【両部共通】

フィンランドの基礎知識:地理、歴史、国民性などを初心者にも分かりやすく解説。

ワーク:参加者同士が対話を通して学びを深め、気づきを共有するワークを実施。

質疑応答:石原への質問を通して理解を深める時間を設けました。

【会場の様子】

フィンランドのコーヒー、お茶、お菓子、そして飛騨高山や参加者の方々からの温かい差し入れが並ぶ和やかな雰囲気の中、石原がフィンランドで買い付けた北欧雑貨の販売コーナーも盛況でした。また、関連書籍の展示コーナーも設けられ、参加者の皆さまは思い思いにフィンランドの世界観に浸っていました。

イベント終了後も、参加者同士の活発な交流が2時間近く続き、フィンランドへの関心の高さと共に、エラマプロジェクトのコミュニティの温かさを感じさせるひとときとなりました。

ご多忙の中ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました! エラマプロジェクトは、今後も皆さまにフィンランドの魅力をお届けするイベントを開催してまいります。どうぞご期待ください。

【次回イベント予告】

名古屋開催は11月30日!残席はわずかです。

この秋、私たちは「北欧のシリコンバレー」と呼ばれるフィンランド・オウル市で、6泊7日の視察ツアーを実施しました。テーマは「働き方とウェルビーイング」。現地の様子をレポートします。

ツアー概要

日程:2024年10月13日(日)〜10月19日(土)

場所:フィンランド・オウル

参加者:大学生、企業人事、教育関係者など8名

1. 職業専門学校 OSAO での発見

OSAOは、フィンランドの教育システムを象徴する場所でした。生徒の立ち入りが禁止されたスタッフルームは、先生たちが肩書きを外し、リラックスできる空間。コーヒーブレイクは法律で定められており、効率的な働き方を実現するための重要な要素となっています。また、進路変更が当たり前のフィンランド社会らしい「学び直し」の制度も印象的でした。教員の目標は就職率ではなく、生徒の「being(在り方)」を育むこと。生徒一人ひとりの個性を尊重する姿勢を学びました。

2. フィンランドの幸福度の秘密

世界幸福度ランキングで常に上位にランクインするフィンランド。その秘密は、小さな幸せを大切にできる感性と、自分自身と向き合う時間をしっかりと確保している点にあると感じました。長い冬の中で培われた、自然との共生、そして「足るを知る」という価値観は、私たちにとっても大きなヒントとなるでしょう。

3. 自然の中での学び:森林ワークショップ

国土の65%が森林というフィンランド。自然は、人々にとって心身をリフレッシュさせるための大切な資源です。森林ワークショップでは、DRAMMAモデルに基づいたプログラムを体験。五感を研ぎ澄まし、心と体の声に耳を傾ける時間を持つことができました。

4. 自分を大切にする時間:「マイタイム」のススメ

モニカ・ルッコーネンさんのワークショップでは、「マイタイム」という概念を学びました。仕事や家庭の責任から離れ、自分のための時間を持つことは、決してわがままではなく、むしろ周囲にも良い影響を与えるという考え方。忙しい毎日の中で、自分自身をケアすることの大切さを改めて実感しました。

参加者の声

「フィンランドの教育システムは、個性を尊重し、学び続けることを支援する素晴らしい仕組みだと感じました。」(教育関係者)

「自然の中で過ごすことで、心身がリフレッシュし、新しい発想が生まれることを体験できました。」(企業人事担当)

「マイタイムの考え方は、日々の生活に取り入れやすく、自分自身を大切にするためのヒントになりました。」(大学生)

今回の視察ツアーでは、フィンランドの働き方、ウェルビーイング、そして教育の最前線を体験することができました。自然との共生、個人の尊重、そして学び続ける姿勢。これらの要素が、フィンランド社会の幸福度を高めているのだと感じました。私たちは、この学びをエラマの学校の活動にも活かしていきたいと思います。

ツアー報告会、開催します!

本ツアー、並びに9月に実施したフィンランドのサステイナブルプログラムに関する報告会をリアル開催します!

◆【東京・新宿御苑】11月10日(日)10:30〜

◆同日開催!13:30〜北欧フィンランドの教育&ライフスタイル講座

◆【名古屋】11月30日(土)13:30〜

9月1日~7日の日程で、フィンランドの首都ヘルシンキと、第2の都市タンペレを巡る「フィンランドのサステイナブルな社会とウェルビーイングの暮らしを学ぶプログラム」を開催いたしました。

今回は、参加者8名と共に、ヘルシンキエリアの小学校、カラサタマのスマートシティ、ゼロウェイストレストランNolla、フランチラ農園、タンペレ郊外の森と一般家庭を訪問。

それぞれの場所で、サステナビリティやウェルビーイングに関する取り組みを体感し、専門家や現地の方々から貴重なお話を伺いました。

未来を明るく照らす希望の力

今回の旅を通して特に印象的だったのは、サステイナブルとは「未来を自分たちの手で明るく照らしていく」という考え方です。

ヘルシンキエリアの小中一貫校では、校長先生自らが特別支援学級の専門の先生だったこともあり、インクルーシブ教育が非常に自然な形で実践されていました。

学年をわざとバラバラにした教室配置や、授業を特別支援級の生徒と一緒に受けるなど、一人ひとりの違いを認め、誰もが安心して過ごせる環境づくりが徹底されていました。

また、タンペレ郊外にあるフランチラ農園では、農園マネージャーのアンナさんから、サステイナブルなビジネスを長く続ける秘訣についてお話を伺いました。

アンナさんは「ただ商品を売りたいからウェルビーイングセンターをやっているのではない。必要としている人に、この農園とつながってほしいから、様々なサービスを提供している」と語っていました。

彼女の言葉からは、この農園に対する深い愛情と、未来に対する希望に満ちた力強い意志が感じられました。

花や葉っぱは全てオーガニックで純無農薬。
花や茎や葉っぱ、全てが美味しい!!

自分で摘んだ花は、食べてもよし、摘んでもよし、ブーケを作るもよし。
フランチラ農園の大地のパワーが漲っている花から栄養をもらいます。

農園のハーブで作るホホバオイルのパフューム作りWS

自然との共存と持続可能な社会

フィンランドは国土の約75%が森林という、自然豊かな国です。

人々は幼い頃から自然と触れ合い、自然の恵みを享受しながら暮らしてきました。

タンペレ郊外の森では、現地ガイドのエリーナさんと共に森を散策し、焚き火やバーベキューを体験しました。

フィンランドでは「自然享受権」という考え方があり、私有地でない限り、誰でも自由に森に入り、ベリーやキノコを採取することができます。

自然と共存し、持続可能な社会を築き上げてきたフィンランドの知恵と工夫を、身をもって学ぶことができました。

参加者たちの変化

参加者からは、

「今まで点でしかなかったフィンランドの良いところが、線となって繋がる旅だった」
「会社を辞職して、もっと自由に生きることを決めた」
「フィンランドで見たかったこと、行きたかったこと、感じたいと思っていたことが、全て叶えることができた」

などの感想をいただきました。

今回の旅が、参加者一人ひとりの人生にとって、未来を明るく照らす希望の光となることを願っています。

来年に向けて

エラマプロジェクトでは、来年2025年もフィンランドの現地プログラムを開催する予定です。現在、代表の石原はフィンランドに滞在しながら準備を始めています。

詳細が決まりましたら、WebページやSNSでお知らせしますので、ぜひこまめにチェックしておいてください!

こんにちは。エラマプロジェクト代表の石原侑美です。

今回は、コミュニティ「エラマの森」の住民(会員)さんのファミリーのフィンランド個人アレンジツアーの実施報告をお届けします。

ご家族にとって忘れられない、特別なフィンランド滞在となるよう、約1年前から綿密に準備を重ねてきました。

湖水地方のコテージで過ごす、スローライフ体験

舞台は、夏のキラキラした湖と豊かな森が広がるフィンランドの湖水地方。

今回の旅のテーマは「家族との時間を大切にしながら、フィンランドの自然と文化にどっぷりと浸かること」でした。

今回、私がガイド兼通訳として現地で合流し、まるで親戚のように一緒にコテージライフを過ごしながら、フィンランド流の過ごし方を体験していただきました。

・フィンランド流のソーセージBBQ「マッカラ」

・ネイチャーガイドのマリさんと森林浴

・カレリアパイ作り

・地元の小中一貫校見学

家族とつながる、自然とつながる、自分とつながる豊かな時間

夜は、暖炉に火を焚きながら、家族水入らずの団らんの時間。

スーパーで買ってきた食材でフィンランドの人の食卓のようなお菓子やおつまみを囲みながら、その日の思い出話に花を咲かせました。

日本の都会の喧騒から離れ、ゆっくりと流れる時間の中で、家族の絆を改めて確認しあったり、自然とのつながりを作る豊かな時間となりました。

人と出会う

エラマの個人アレンジやグループツアーのどちらもの共通するのが、私が信頼するフィンランドの現地の人と触れ合える機会が多いことです。

私が言語通訳をするのですが、ご家族も現地の方も私を信頼してくださり、私の通訳を通じて心を通わす交流が生まれます。

人との交流こそ、エラマプロジェクトで大事にしているポイントです。

旅を終えると、「何をしたか」より「誰に会ったか」が強く印象に残ります。個人アレンジやグループプログラムでも、フィンランドの現地の人であれば誰でも良いではなく、「この人に会ってもらいたい!」と思う、ご縁と信頼のある、さまざまな専門分野のフィンランドの方にお願いしています。

旅を終えて

今回の旅は、単なる旅行ではなく、ファミリーにとってフィンランドへの理解を深め、人生を豊かにする学びを得る貴重な機会となったようです。

「子供たちがフィンランドの自然の中で、のびのびと楽しんでいる姿を見ることができて本当に嬉しかった」

「フィンランドの人々の温かさに触れ、改めてこの国が好きになった」

と、ご両親からも喜びの声をいただきました。

エラマプロジェクトでは、今後も皆様のニーズに合わせた個人アレンジツアーを企画・実施して参ります。

フィンランドの奥深い魅力に触れ、人生の質を変える旅へ、あなたも出かけてみませんか?

フィンランド生涯教育研究家・石原侑美がコーディネートする、ツアーではない、自分だけのフィンランド個人アレンジを受け付けています。

まずはお問い合わせください。