
先日、夏の光が美しい飛騨高山で、3泊4日の「対話的な場の作り方合宿」を無事に開催いたしました。ご参加くださった皆様、そして関心を寄せてくださったすべての方々に、心より感謝申し上げます。
この4日間は、単なる研修やセミナーではありませんでした。フィンランドの対話文化、哲学の深い問い、飛騨高山の豊かな自然、そして集った一人ひとりの人生が響き合い、一つの壮大なアート作品を全員で創り上げたような、奇跡の時間となりました。
この記事では、その感動と学びの本質を、当日の様子と共にご報告します。
五感で味わう、飛騨高山という舞台
今回の合宿で私たちが大切にしたのは、「頭で理解する」だけでなく「身体で感じる」こと。その中心にあったのが、飛騨高山に根ざすプロフェッショナルたちが届けてくれた、五感をひらく豊かな体験です。

大地のエネルギーをいただく食事
料理人・河野美紗さん(Earth to Table)が振る舞ってくれたのは、もはや「料理」という言葉では表現しきれない、彼女の人生のストーリーが詰まった一皿一皿でした。飛騨の農家さんと丁寧にコミュニケーションを重ねて届けられた、採れたての夏野菜たち。ナス、きゅうり、トマト、ズッキーニ…その一つひとつが持つ生命力に、参加者の皆さんは息をのみました。
「料理で雷に打たれるって、こういうことだったんですね」とある参加者さんが語ったように、それは飛騨の大地のエネルギーをいただく、魂を満たす体験でした。

飛騨の森の記憶を、永遠の贈り物に
贈られた人は幸せになるというフィンランドの工芸品「ククサ」。Elämäオリジナルの、飛騨高山の木から職人さんが一つひとつ手作りした特別なククサに、飛騨在住の植物のプロ・内方智香子さんと共に、地元の植物をあしらっていく。
それは、フィンランドの魂が宿る器に、飛騨の森の記憶を封じ込めるような、静かで神聖な「自然との対話」の時間となりました。
「対話」とはスキルか、在り方か? — 講師陣が届けた深い学び
この豊かな体験の土台の上で、いよいよ「対話」の核心に迫る講義が始まりました。
フィンランドの知恵:「聞く」とは、自然の声まで聴くこと
講師の石原侑美からは、フィンランドの対話文化の背景にある「オープンダイアローグ」の思想をベースに、心地よい場を創るための5つの空間(身体的、時間的、心理的、社会的、会話的)についてお伝えしました。そして「聞く」とは、人の話だけでなく、自然や自分自身の声にまで耳を澄ませる行為であるという、アニミズム的な視点も共有されました。
哲学の問い:対話とは「Inter-View(相互に見る)」こと
講師のいけかよさんからは、「答えを出さない」ことを大切にする哲学バーの実践を通して、対話の技術(How to)以前の「在り方(Being)」を探求しました。傾聴の壁となる自分の中の無意識の「評価(ジャッジ)」に気づき、相手を理解しようとするのではなく、好奇心を持って「相手の隣に座り、同じ景色を眺める」。その在り方こそが、真の対話「Inter-View(相互に見る)」なのだと、参加者の皆さんは深く頷かれていました。
「安心して弱さを話せた」— 参加者の皆さんの声
理論と体験が融合し、心理的安全性が確保されたこの場で、参加者の皆さんからは宝物のような言葉がたくさん生まれました。
「今まで色々な研修を受けてきたけれど、こんなに安心して自分の弱さも話せたのは人生で初めてです。『受け止められる』って、こういうことなんですね」
「正直に言います。私の人生のターニングポイントになりました。料理に雷を打たれ、言葉に心を揺さぶられ、ここから何かが新しく始まる確信があります」
「傾聴ワークで、聴いているようで全然聴けていなかった自分に気づきました。自分の『正しさ』というフィルターを外して聴くことの難しさと、その先にある世界の豊かさを知りました」
「肩書きを外して、ただの“わたし”としてここにいられたことが、何よりのギフトでした。いつの間にか、まるで家族のように感じていました」
この感動の続きを、あなたも体験しませんか?
この合宿は、誰かが一方的に教える場ではありませんでした。専門家と参加者が互いに影響を与え合い、共に場を創り上げた「共創」の4日間でした。
もしこの記事を読んで、あなたの心が少しでも震えたなら。次は、あなたがこの物語の主人公になる番かもしれません。
1. もっと詳しく知りたい!まずはオンライン報告会へ
合宿の熱気と学びを、写真や参加者の声と共にお届けします。「対話って何だろう?」という問いを、一緒に探求しませんか?
・イベント名: 【オンライン】エラマの学校の対話合宿報告会
・日時: 2025年8月6日(水) 20:00〜21:30
・場所: オンライン(zoom)
・料金: 一般 500円(会員制コミュニティ「エラマの森」住民は無料)
>>詳細はこちら
2. 継続的に学び、仲間と繋がりたい方は「エラマの森」へ
Elämäプロジェクトの学びのほとんどが無料または割引で受けられる、会員制コミュニティです。オンラインでの学びや対話、年に2回の飛騨高山オフ会など、あなたの「第二の故郷」のような場所がここにあります。
【予告】対話合宿 第2弾、開催決定!
大変ご好評をいただいたこの合宿、早くも第2弾の開催を予定しています!
詳しい日程や内容は、決まり次第公式サイトやSNSでお知らせします。「次こそは!」と思われた方は、ぜひElämäプロジェクトのInstagramをフォローして、最新情報をお待ちください。
またいつか、どこかの「対話の場」で、あなたとお会いできることを心から楽しみにしています。
kiitos!(キートス!)
“フィンランドを感じながら自分対話リトリート in 岐阜・飛騨高山”をコンセプトに7月に第2弾を開催します🌸

「わたし」って何がしたいんだろう?「わたし」らしさってなんだろう?「わたし」はどんな生き方をしたいんだろう?
一人では路頭に迷う自分への問い。
この3日間プログラムは、飛騨高山の山々に囲まれた木の香りが漂う宿泊可能の大型一軒家施設「太陽の家」で、自然の中で自分を見つめる3日間を提供します。
集まった参加者同士で交流したり、他人の生き方に触れたり、他からの刺激を受けつつ、一人になれる時間やスペースで自分と向き合います。
当日はエラマプロジェクトでは縁の深いフィンランドと中継で繋ぎ、フィンランドのライフコーチによる内省ワークショップを受けます。山間部の涼しい夏の飛騨高山で、山々に囲まれながら「わたし」を見つめてみませんか?
日時:2022年7月16日(土)~18日(祝)
場所:岐阜県高山市
定員:5名
料金:65,000円(エラマの森会員価格:55,000円)
宿泊:高山市太陽のいえ
