こんにちは、橘茉里です。
新学期が始まりましたね。特に、新入生や新社会人の方は、新たな環境で上手く人間関係を築いていけるか、期待や不安を抱いているかもしれません。
私は、仕事スイッチが入っている時は、初対面の方ともフレンドリーに接することができますが、根っこは人見知りなので、新しい環境に入る時は今でも緊張でドキドキします。
さて、新たな出会いが多い春ですが、今日はあえて、友人との関係を終わらせることについてお話ししようと思います。
世間では、友達の作り方が取り上げられることは多いものの、終わらせることへの関心は薄いように感じます。
しかし、新しい友人関係を築くことと同様に、いえ、もしかしたらそれ以上に、自分に合わなくなってしまった関係を終わらせることって大切なのではないでしょうか?
今回は、自分の気持ちに従って人間関係の断捨離をすることで、人付き合いの悩みが減り、真に繋がりたい人たちとの関係が充実するようになった私の例をご紹介します。
人付き合いにストレスを抱えている人たちに向けて、こんな考え方もあるんだよということを知ってもらえたらいいなぁと思います。
前提として、私はものすごく断り下手である
今、私は友達がとても少ないです。
エラマプロジェクトに関わったり、パラレルワーカーとして活動したりすることで、交友関係はそれなりにありますが、プライベートで遊ぶような友達はかなり少数です。
それは、豊かで幸せな生き方を探求するようになって以降、人間関係の断捨離を行い、かつての友人たちと距離を置いたり、付き合いを絶ったりしてしまったからです。
それまでの私は、この人と友人で居続けるのはちょっとしんどいなぁと思っても、無理をして相手に合わせていました。
でも、豊かな人生を送ると決め、自身と向き合うようになってからは、「私、本当は楽しくないのに、楽しい振りして会話に加わっているなぁ」「この子のこと、嫌いではないけど、会うと疲れちゃうんだよね」などの気持ちに蓋をすることをやめたのです。
やめたというより、気持ちを偽って我慢し続けることができなくなってしまったという方が正確かもしれません。
きっと自分を大切にするようになったことで、自分の本当の気持ちをちゃんと掬い取ってあげられるようになったのだと思います。
この記事を読んでくださっている方の中には、関係を断つなんて極端なことをしなくても、ストレスが溜まらない程度に適当に付き合えば良いのでは?とお思いの方もいらっしゃるでしょう。
それが出来る方は、もちろん断捨離なんてする必要はありません。
でも私は白黒つけたいタイプの人間で、どっちつかずのグレーの状態にとてもストレスを感じます。そんな私にとって、自分とは合わないと感じつつ、友人関係を続けること自体が負担なのです。
それに、曖昧に友人関係を続けることによって、メッセージのやり取りしなければならなかったり、気乗りしない誘いをどう断ろうかと頭を悩ませたりする事態が生じることもかなりしんどいです。
私の場合、そこから解き放たれる方法が、人間関係の断捨離でした。
そもそも私は誘いを断ることがものすごく苦手です。
どのくらい苦手かと言うと、例えば参加したくない飲み会に誘われたとして、誘いを断るストレスを感じるくらいなら、飲み会の2、3時間を我慢した方がマシだと思ってしまうくらい、断ることが苦手です。
今の私は、気乗りしない誘いはさすがに断れますが、かつては断るストレスから逃げるために、やりたくないと思っても引き受けてしまったり、行きたくなくても参加してしまったりしていました。
日本人は「NO」を言えない人が多いというのは良く聞く話ですが、私はその傾向がとても強い人間でした。
「NO」が言えないのは一体なぜなのか。
相手に嫌われるのが怖いの?
相手の期待を裏切るのが嫌なの?
どうしてこんなにも断ることが苦痛なのか、実は自分自身でも良く分かりません。
また、頑張って断ろうと思っても、はっきり断ることができないために、「またの機会に」「時間ができたら…」などの婉曲的な断り文句になってしまうことも多々ありました。
それで相手が察してくれれば良いのですが、どうやら私の物言いでは断りのニュアンスが薄いらしく、相手に「NO」の気持ちが伝わらないストレスに、胃がキリキリしたことも多々ありました。
こうやって思い返してみると、他人からの誘いを断るという人生全体からしたら些細なことに、私は随分振り回され、エネルギーを費やしてしまったなぁと苦笑いするしかありません。
人間関係の断捨離を決行する
先ほど、人間関係の断捨離をするようになったのは自分の豊かな生き方を探求するようになってからだと書きましたが、私は30歳を過ぎた頃から、自分の人生や生き方に悩み、数年の間、迷走期が続きました。
当時は、自分の望む人生はこれじゃない感が強くて、将来にも希望が持てない状態でした。
自分のやりたいことが分からず、どんな人生を送りたいのか、どうやったら自分が心地よく生きられるのか、自分のことがちっとも分かりませんでした。
何かしなければと気ばかり焦って、朝活に参加したり、資格の勉強をしたり、傾聴の講座に出たり、NLP心理学のコースに通ったりもしました。
他にはカウンセリングを受けたこと、ワークショップや自己啓発セミナーに行ったこともありました。
結構なお金と時間を費やして右往左往していたわけです。
そうやってもがきながら、少しずつ「自分」というものを見つけていきました。
エラマプロジェクトと出会ったのは、初期の迷走期を脱して、自分と向き合えるようになってきた頃のこと。
それまでは、人生の目標ややりがいを見つけねば!という渇望感が強かったのですが、エラマの世界観に触れることで、豊かで幸せな人生を送りたいという穏やかな願いへと、自分の気持ちがシフトしていきました。
自分の心の豊かさを意識するようになると、自分にとって心地よいこと、したいこと、したくないこと、色んなことが鮮やかに感じ取れるようになっていきました。
以前だったら、気乗りしないのを我慢して参加していた友達との集まりに対しても、「行きたくない」とより強く思うようになり、さらに「我慢して参加することは豊かな生き方ではない」と感じられるようになりました。
いつの間にか、私の中に「豊かな生き方かどうか」で物事を判断する癖ができていたんです。
そして私は、自分の心の豊かさのために、付き合いたい人たちとだけ付き合おうと決めました。
もちろん現実的には、仕事の人間関係など、自分と合わないと感じても付き合わざるを得ないことはあります。でも、プライベートでは我慢するのをやめようと思ったのです。
私は、今の自分とは合わないなぁと感じる相手との付き合いを断つべく、これまでの古い友人関係を見直し、人間関係の断捨離をすることにしました。
誘いは思いきって断る。
積極的に連絡を取らない。
コミュニティから抜ける。
実行したのはこういう小さなことばかりですが、付き合いをやめると決意すると、以前よりもはっきりとNOの意志を示せるようになりました。
すると、大抵の場合は自然と関係が疎遠になりました。幸か不幸か、コロナ禍によってリアルな会合が制限されたことも断捨離成功を後押ししてくれました。
そんな中、断捨離に苦労したのは、昔は仲が良かったけれど、今ではごくたまに会う程度という関係の友人たちでした。
当時は一緒にいて楽しかったし、素敵な思い出もたくさんあります。そんな人たちを断捨離しようとする私は薄情でしょうか?
でも、人間は昔のままではいられません。良くも悪くも変化する生き物です。
大人になって立場や環境が変わったり、お互いに別々の様々な経験を積むことによって、当時は「この人と合うなぁ」とフィットしていた感覚がどんどんずれていくことがあります。そして気づけば、無理して付き合いを続けているという状態になってしまう。
関係を断つことは冷淡に見えるかもしれませんが、かつては仲が良かったからといって、ずっと関係を維持しなければいけないなんてことはないはずです。
結果的に私は、今は価値観がかけ離れてしまった昔の友人たちと距離を置き、付き合いを終息させることに成功しました。
罪悪感がないわけではありませんが、私は後悔していません。
自分の行動は自分が選んでいい
行くかどうか、引き受けるかどうか、連絡するかどうか。
他人が絡む物事に対して自分の行動を決める時、誰に決定権があると思いますか?
当たり前ですが、自分の行動の決定権は自分にあるのです。
ですが、かつての私は自分に決定権があるとは思えずにいたような気がします。誘われたら行かなきゃいけない、頼まれたら引き受けなきゃいけない。そんな風に思っていました。それは自分にはNOの選択肢がない状態、つまり相手に決定権を渡しているようなものです。
行くかどうか決めるのは自分。
そう思えるようになったら、私は気持ちがとても軽くなりました。
自己肯定感が低かったり、NOと言えない人の中には、昔の私のように自分が決めていいのだと思えない人もいらっしゃると思います。
でも、あなたの人生なのですから、あなたが自分で選んで良いのですよ。
たとえ相手を不快にさせたり、傷つけたりする結果になったとしても、あなたの決定権はあなたのものです。
私は、今の私と合わなくなってしまった友人との付き合いを終わらせるという選択をして、自分の意志でそれを実行しました。
すっかり友人の数は減ってしまいましたが、友人関係の悩みやストレスは驚くほど少なくなりました。そして今では、付き合いたい人たちとの関係を大切にできているので、ストレスどころか満ち足りた気持ちでいられます。
あなたがもし友人に対してストレスを感じているなら、関係を見直してみることも一つの方法です。
私の経験があなたのお役に立てたら幸いです。
Text by 橘茉里(和えらま共同代表/和の文化を五感で楽しむ講座主宰/国語教師/香司)