Elämäプロジェクト

「わたし」の豊かで幸せな生き方と向き合える場所、エラマ図書館がオープンしました

心地よさを実現する「エラマ図書館」正式オープン

こんにちは。エラマプロジェクト代表の石原侑美(いしはら ゆみ)です。

2022年5月7日から5月31日までのイベントとして岐阜県高山市にあるウッドフォーラム飛騨で「エラマ図書館」を開催しました。その後、期間延長し、6月末までの開催となったのですが、ついに本日2022年7月1日より「エラマ図書館」が常設として正式オープンします(入場無料、事前予約不要)。これまで来館してくださった方々、そしてウッドフォーラム飛騨にこれから訪れる方にも引き続き楽しんでいただけることになりました!。

エラマ図書館では、フィンランドの図書館のエッセンスを取り入れつつ、読書や学習、そしてゆっくり対話する場を提供しています。

場所自体も木の温もりを感じられる建物ですし、北欧スタイルの飛騨家具「KOIVU」さんとコラボレーションして図書館内の一部家具はKOIVUさんが作った家具を使用しています。そちらも体験が可能です。

実はわたしは子どもの頃、本を読むことだけでなく図書館自体が苦手でした。図書館のその雰囲気やもですし「〇〇してはいけない」ということが多かったこともあってので、わたしにとって図書館は閉鎖的なイメージだったんです。

図書館に対する概念がガラッと変わったのはヘルシンキ中央図書館「Oodi(オーディ)」

を見学したことがきっかけでした。

(キャプション:実際のOodiの様子)

Oodiはフィンランド独立100周年を祝うプロジェクトとして2018年12月に開館した図書館です。

エラマプロジェクトでは新型コロナが感染拡大する前まではフィンランドへのツアーも開催していて、こその図書館を訪れる機会がありました。来館者がしゃべっている、寝ている、ごはんを食べている、飲み物を飲んでいる、3Dプリンターでいろいろ作っているなどの光景を目の当たりにして、すごく楽しそうに感じたんです。制限がない様子に図書館に対するイメージが180度変わりました。

ただ単純に制約がないというのとは違って、日本でももちろんそうなんですが、そもそも図書館の存在が人びとの民主主義を象徴するからというのが大きいかと思います。

民主主義とっていうのも、政治的なニュアンスよりはどちらかというと「誰もが自由に自分の意見を言える」とか「自分のやりたいことが実現できる」という意味での民主主義ですね。

つまり発言の自由とか表現の自由というものこと。になるんですけど、そういうものがベースにあるからこそ禁止事項が少ない、最低限必要だと考えられえる部分は確保されている印象がフィンランドの図書館にはありました。

Oodiを見てもそうですし、エラマ図書館からも実感したのは、空間そのものがバイオフィリックデザイン(建物の造りに木が使われていたりるとか植物が置いてあって自然の香りに触れられるなど)であれば、大きく騒ぐ人が出るような状況にはならないんですよね。

そもそもその場にいる人はとても落ち着いた状態になるので、空間づくりやその場に流れている文化が見た目や体感でわかることはすごく大事なのかもしれません。

フィンランドの図書館での体験をベースにしながら、エラマ図書館の重要なコンセプトとしては「心地よさを実現する」と「サステイナブル」を掲げています。

私の思う心地よさというのは、安心・安全が保障されている、自由を感じられる、「一人は好きだけど孤独は嫌い」が満たせる場所である、を大切にしたいという意味です。そして本・自分・人と、とても落ち着いた状態で対話ができるというのも含まれます。

サステイナブルは地球や社会に対してもそうですが、一番は自分にとってサステイナブルであるかです。つまり、わたし(石原侑美)が一番心地いい、長くいられると思える空間であるかが大事な気がしていたんです。

実際、自分でもエラマ図書館のファンになりましたし、必然的に来館するみなさんにも心地よさを提供できていると感じています。

本を読まない人方も当たり前に過ごせる場所

エラマ図書館ではエラマ推薦図書として北欧文化、フィンランドの教育関連、デザインを中心とした選書を展示してあり、館内はもちろんウッドフォーラム飛騨の敷地内であれば外に持ち出して読書するのも可能です。

以前からエラマプロジェクトを応援してくださっている地元の方が週1で回通ってくださったり、北欧について知りたいとエラマ図書館を目的に訪れる方ももちろんいらっしゃいます。が、
しかしウッドフォーラム飛騨は観光客の方がよく立ち寄る場所でもあるので、木工製品などの展示を見てみようといらっしゃった他県からのお客様が、偶然にエラマ図書館に出合われるパターンのほうが実は大半なんです。

(キャプション:エラマ図書館からは、敷地内の野外ステージが見えます)

エラマ図書館は常にスタッフがいるスタイルではないのですが、わたしがいる日はエラマプロジェクトやフィンランドのことをお話しして、そのまま1時間くらい対話が続くこともあります。そしてチラシを持って帰ってくださって後からメッセージを送ってくださった方もいらっしゃいました。

そのほかにも訪れる人の過ごし方は様ざまで、わたしがいる日には飲み物サービスも提供しているのでドリンクを介してお話しする時間もありましたし、フィンランドのスポーツである「モルック」の貸し出しもおこなっているのでモルックを体験された方々もいらっしゃいます。

その中でも特に印象に残っていることがあります。

清見(岐阜県高山市清見町)に来ればなんとなくゆっくりできそうかもと、ふらっとウッドフォーラム飛騨に立ち寄りエラマ図書館の存在を偶然知ったある女性がいました。

エラマのことフィンランドのことをご説明していると、ご自身について少しお話ししてくださったのです。

20年くらい勤めた会社を思い切って辞め、数日間、家に引きこもっていたそうです。

心と体がかなりボロボロになるまで働き詰めだったようで、詳しいことはわかりませんが何か抱えているものがあるように見受けられました。

ゆっくりしたい、数日ぶりに外に出てみようと思ったというその女性は、「ここいいですね」という感想をおっしゃられているうちにだんだん涙が流れてきたんです。

そして泣きながら「こうやって立ち止まりたかったんです、わたし」と言葉にされました。

ここは本を読むだけではなく、ただぼーっとする人もいるので自由に過ごしてくださいとご案内しました。

置いてあった家具の中でソファだけは外に向いて配置されていたので、後ろからきたお客様には表情などが見えない動線になっていました。

わたしは他のお客様の対応などをしていたのですが、なんとなく視界に入る様子からおそらく泣いていたのではないかと感じました。そのソファに座ってから1時間ほどくらい経った頃、外の空気を吸いに出られて木陰でさらに1時間くらいぼーっとされていたようです。

そうやって自分だけの対話をして過ごされたんです。

そして「またわたし必ず来るからね」とおっしゃって帰っていかれました。

エラマ図書館という名前通りの出来事だったと思います。そういうふうに過ごしていただけたことを目にして、この短期間であってもエラマ図書館の理想を実現できたという勇気をいただく機会にもなりました。

今後のエラマ図書館

重要なキーワードとなるのがやはり「エラマ」という言葉なんだと思います。人生・生き方・命に触れられる場所、それらに向き合える場所というのがエラマ図書館というものに凝縮されているのではないかなと。

人生の分岐点ではなかったとしても豊かさだけをもらって帰るぐらいの、それぐらい気軽に幸せになれる、そんな場所になったらいいなという希望も持っています。

7月から常設になりますが、「出張エラマ図書館」という企画も考えています。

飛騨を本拠地とした常設図書館と並行して、まずは大阪、名古屋、東京に出張してエラマプロジェクトに出合える機会を増やしたいと考えています。

秋以降になりますが、楽しみにお待ちくださるとうれしいです。

そのほかにも、わたし以外の誰かと対話する機会を設けることも計画しています。先日までの期間限定開催中におこなったイベントでもあるのですが、「対話ゲストの日」のようにして、例えば教育のプロなどその人がいる日を作ってみると自然発生的に対話できるような空間になるんですよね。

エラマ図書館は必然的に小規模になるので、図書館というハコモノとしての面だけでなく「その人」に会いに来るというポイントを作ることで公共図書館との大きな違いになるのではと思っています。

過去の図書館像や一般的な図書館とはコンセプトが異なるので、みなさんが持ついわゆる図書館のイメージとこの場所はギャップがあると思います。でも、みなさんにそれが伝わっていけば、エラマプロジェクトのトピックになっている内省や哲学、和文化関連など展示する本の範囲も広げていける気がします。

完璧を目指さない

図書館をの作る上ではり方として完璧を目指さないことを意識しています。図書館は作り込もうと思えば徹底的に作り込めますが、あえてここはできていないという部分は残しています。ゆったりとした気持ちを持って、訪れてくださる方々との対話を通じて選書本の内容や空間を形作っていきたいんです。

みなさんにエラマ図書館にぜひ来て体験していただきたいと思っています。エラマプロジェクトとは何なのか、私が口で説明するよりもエラマ図書館に足を運んでいただければ、なんとなくであってもそれを体感できると思うのです。エラマプロジェクトを表現した、具体的にアクセスできる場所を持てたというのはとても意義深いと感じています。

先述したように完璧を目指していないので、どんどん変化していくエラマ図書館をぜひ実際に見てください。

さらに自分たちの心地いい場所を実現していけるといいなとこれからを楽しみにもしています。

エラマ図書館にぜひお越しくださいね!

エラマ図書館の詳細はこちら

By 石原侑美(エラマプロジェクト代表)
Interview & Text by nakagawa momo(フリーライター)

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