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【よむエラマ】”予定通りにいかない”を生きる私たちに必要なのはレジリエンスの力かも

こんにちは!エラマライターのひらみんです。

最近よく聞く、「レジリエンス(resilience)」。まず思い浮かべるのは、「逆境に打ち勝つ強さ」や「困難な出来事から立ち直る力」ではないでしょうか。ネガティブなことから、回復する力として認識されているように思います。

さらに最近の日本のビジネス分野では、「ストレスやプレッシャーに直面しても負けない力」として、「レジリエンスを鍛える・高める」みたいなことも言われていると思います。

でも、本当にレジリエンスって「元に戻る力」のことなんでしょうか? 最近の心理学では、ちょっと違う方向性で捉えなおされているんです。

レジリエンスとは「元の状態に戻る力」だけではない

レジリエンスを調べていたら、「心理的柔軟性」という新しい言葉が出てきました。

心理的柔軟性は、変化する状況や困難に直面した際にも、自分の価値観に沿って柔軟に行動を変化させられる力を指します。

出典:心理的安全性を超える「心理的柔軟性」とは

さらに、心理的柔軟性の第一人者、スティーブンヘイズ教授による定義をわかりやすく伝えると、「今の状態に注意を向けて、心をオープンにして考えて、自分にとって大切なこと・価値あることを実行する力」です。

ヘイズ教授が提唱するACT(アクセプタンス・コミットメント・セラピー)にもつながっており、ACTは以下の2つのプロセスを軸とした心理療法です。

アクセプタンス=自分には変えられないこと(状況や感情)を受け入れる

コミットメント=自分がコントロールできることを自分で決めて実践する

感情を変えるのではなくて、理解することを学びます。ACTには6つのプロセスがあるのですが、それを説明すると長くなってしまうので、いったんここまでとしますが、「受容(アクセプタンス)」から「自分で決めた行動(コミットメント)」までがワンセットになっています。

レジリエンスを考えなおすにあたって、とても大きなきっかけになった気がしました。

想定外のロストバゲージ

この夏、ベトナムのフーコック島に行ってきました。帰りは、国内線でハノイまで飛んで、そこから国際線に乗り換える予定でした。フーコックの空港で航空券を発券した時に「ハノイで荷物を受け取ってね」と言われたので、当然そう思っていたのですが、いくら待っても荷物が出てきません。

一人で移動していたこともあり、初めてのロストバゲージ疑惑に戸惑いしかありません。職員に尋ねると「国際線ターミナルに行って」と言われ、20分ほど並んでカウンターにたどり着くと、カウンターの職員から「荷物はそのまま日本まで行く」との説明。ようやく胸をなでおろしました。(言われたことと違うやんか……)

私がパニックにならずに済んだのは、同じ状況の人が他にもいたこともありました。

そして「最悪ロストバゲージしても、そのうち出てくるだろう」と思っていたんです。これまで自分が荷物の紛失にあったことはないけれど、経験者から2〜3日かかっても手元に戻ってくる話を聞いていたので、「日本に帰れば自宅に服や化粧品はあるし、帰国さえできれば、あとはなんとかなるだろう」と、なぜだか楽観的に考えることができました。

お気に入りのスカートやお土産への未練もあったので、完全に冷静だったとは全然言えないですが、不安を大きくしすぎず、今の状況を理解して受け止めていたんじゃないかと思います。

想定外のことに柔軟に対応する

この経験をヘイズ教授のACT(アクセプタンス・コミットメント・セラピー)流に考えると、アクセプタンスに当たる「荷物が出てこない今の状況に集中して判断して、受け入れ」て、コミットメントに当たる「今できることにフォーカスして、自分が重要だと考える次の行動に移る」が実践できていたんじゃないかなと思います。

つまり、私は周りにも荷物が出てきていない人がいることに気づいていたし、どうするべきか職員に尋ねて答えをもらい、言われた通りに粛々と行動を取ることができていたということなんです。

不安をゼロにしようとしたり、状況を変えようとしたりするのではなくて、不安を抱えたままでもいいから、柔軟に対応することがレジリエンスなのではないか?と思い始めました。

そう考えると、これって「回復する力」とか「立ち直る力」とは違うような気がするんです。目の前に大きな石があったとき、それを登って向こう側に行くんじゃなくて、横を回って行くイメージです。

思い通りにいかないことや想定外の出来事があっても、前進するために何ができるか考えて、実践する。

レジリエンスとは、「不安を抱えたままでも一歩前に進む力」なのかもしれません。

あなたにもできる小さなレジリエンス

旅行で荷物の紛失にあう、なんてことは普段の生活ではあまり起きないかもしれませんが、人生の中では、予定通りにいかないことや困難なことが起きますよね。

その度に、状況に怒ったり、その状況を乗り越えよう・克服しようとするのは疲れてしまうと思います。

でも、今の状況と自分の感情を受け入れて、自分が何をしたいのか考えて実践することはできそうな気がするんです。

例えば、バスや電車が遅れていたら、その間に友達に連絡するとか、予定がキャンセルになったら自分のために時間を使うとか。

そういう小さいことを積み重ねていくことで、想定外なことが起きることを恐れるのではなくて、そこから何が生まれるか、楽しめるような気がしてきませんか。

みなさんは、予定通りにいかないとき、なにがしたいですか?

もし「レジリエンス」に興味がわいた方は、スティーブンヘイズ教授のTEDxTalkもぜひ見てみてください。

心理的柔軟性: 愛がどうやって痛みを目的に変えるか | スティーブン ヘイズ | TEDxUniversityofNevada

Text by ひらみん(ふつうの会社員)


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