こんにちは。ライターのひらふくです。
3月は雪がふっていたのに5月の今はもう半袖の人を見かけますね。だんだん春が短くなる気がするのは私だけでしょうか。
さて、私はエラマプロジェクトでライター、フリーランスで人事をしつつ、実は島根県でコワーキングスペースを運営しています。スペースの名前は「コワーキングハウス・マヤッカ」。マヤッカはフィンランド語で灯台のことです。
もともとコワーキングスペースをする予定はなく、2024年に怒涛の紆余曲折があったのですが、そちらはマヤッカのnoteでどうぞ。
今回は、2025年4月12〜13日にマヤッカでおこなったエラマプロジェクトとのコラボイベントについてお話しします。
イベント名は「北欧フィンランド 旅と学びのマルシェ〜暮らしと働き方 見つめ直す北欧時間〜」。フィンランドの教育や旅行、働き方をテーマに2日間かけて開催しました。
「フィンランドの話をできる人が周りにいなくて来ました」
「北欧は知らないけど教育が気になりました」
「現状がしんどくてヒントがほしいです」
いろいろな方が参加してくださいました。そして、最後はうつむいていた顔を上げて笑顔で帰って行かれました。
この記事では私が参加者さんから教えてもらったことや、参加者さんたちを元気にしたのは何だったのかということをお伝えしたいと思います。
マヤッカのある島根県出雲市は縁結びの出雲大社があるご縁の国です。この記事を通して、あなたにいいご縁がつながりますように。
人生初のイベント主催はダメもとで。
マヤッカの運営を始めたのは2024年12月。そのころからフィンランドに関するイベントをしたいと思っていました。
でも、私はもともと大人数が苦手。イベントの主催なんて考えたこともありませんでした。それでも今回やろうと思えたのは、「開催してもそんなに人が来ないだろうから大丈夫」という、前向きなのか後ろ向きなのかよくわからない理由からでした。
そして何より私はマヤッカとフィンランドが好きで。この2つをかけ合わせたイベントに行きたい!と、自分自身がワクワクしたのです。主催者でありながら一番の参加者だったのかもしれません。
エラマプロジェクト代表の侑美さんにコラボのお誘いをしたら快く了承してくれました。
侑美さんはブレないエラマ哲学と深い対話の場を作っておられます。その侑美さんからのOKは、良いイベントを作る上で心強い支えになりました。
チラシを作って印刷して。私にとって大きなハードルだったのは、近くのお店にチラシを置いてもらうようお願いにいくことでした。
臆病で腰の重い私を助けてくれたのはなんと母。「よく行くパン屋さんに聞いてみたらOKだって〜」この気軽さで次々とお店を開拓してきてくれたのです。
他にも出雲フィンランド協会さんや、他のコワーキングスペースの管理人さんなど、たくさんの方に助けていただきました。
自分にとって難しいことも誰かにとっては気軽なことで。ダメもとで始めたイベント主催は、いろんな方々との出会いによって転がるように進んでいったのでした。
どうして来てくださったんですか?
イベントでは、北欧雑貨のポップアップやエラマbouzuコーヒーさんの出店が大盛況!マヤッカを知らなかった方にも立ち寄っていただくきっかけになりました。
コーヒーを淹れるのを待つ間には、本メディアの編集長かよさんのトークで初対面のお客さんと対話がはじまったりもしました。
そしてこのイベントでは3つの講座も開催。
侑美さんによる「北欧の子育て教育入門講座」と、私が講師をつとめる「フィンランド旅行体験談」「フィンランド働き方入門講座」です。
最初は講座のお申込みが1人や2人しかなく、「みんなは興味がなかったかな…」と悲しくなったりもしました。
ですが、最後1週間の駆けこみがすごくて、最終的にはひとつの講座に10人以上参加してくださいました!当日に飛び入り参加もあったほどです。
特に驚いたのは市外や県外からも講座に来てくださったこと!
島根は新幹線が通っておらず、高速道路もほぼなく、隣の市からマヤッカに来るのも車で1時間以上かかります。
それなのに、県内だけでなく広島県や山口県から3時間以上もかけて来てくださり、2日間両方とも参加された方もおられました。
その情熱に圧倒されて思わず理由を尋ねると。
「今は家族の世話で時間もお金もないけど、いつか北欧に行くのが夢なんです」
「今度島根に移住するんですが島根は曇りが多くて。フィンランドも冬が長いと聞いたので心地よく過ごせるヒントを学ぼうと思って」
それぞれの方の『私と北欧フィンランド』をお聞きすることができました。
地方は東京や大阪に比べて人口が少なく、同じ趣味をもつ仲間に出会うことは簡単ではありません。
でも機会が少ないからこそ、本気の熱意や、きっかけを逃さない行動力が育つのではないでしょうか。
そして多かった理由がもうひとつ。
「フィンランドのことは知らないんですが『働き方』を考え直したいんです」
悩みに答えをくれるのは講師じゃない。
「フィンランド働き方入門講座」は私が講師として企画しました。
1時間半の講座で、フィンランドの働き方に関する知識や自身の体験談、そして11名の参加者さん同士で話しあうワークショップをおこないます。
日本ではフィンランドの教育やデザインに関する情報は多いのですが、働き方や仕事に関するものはとても少ないです。
このテーマに参加者さんはどんな反応をするのか…?真面目なテーマだけに緊張した場になるかもしれないとドキドキしていました。
そして私の予想は見事に裏切られたのです。
講座は参加者さん同士の自己紹介タイムから。たまに話題に困る方もおられるので時間は短めにしていました。
それなのに、「盛り上がってるところすみませんが自己紹介を終了してくださいー!」と私が声を張り上げるほど、最初から熱い場になったのです。
その後も、参加者さん同士で話し合うコーナーはどれも盛り上がりました。
参加者さんは全員が初対面。20代の方から60代の方、主婦の方に管理職、会社員に無職の方までさまざまです。
何がみなさんを熱く結びつけたのでしょう?
講座では、フィンランドの働き方をもとに、自分だけのマイタイムをもつ習慣を紹介します。その上で参加者さん同士で対話して、自身を見直してみる時間をつくりました。
そこでみなさんから出てきたのは、昼休みもパンを片手にパソコンを叩いていたり、休日も朝からずっと仕事のことを考えたり、成果を出せば出すほど仕事を増やされるという働き方。
その生活は心身を疲れさせていて、中には話しながら涙ぐむ方もおられました。
でも、対話が進むとみなさんの表情は明るくなっていきました。
そこには、職場や家庭では言えなかった悩みを話せた安堵や、仕事の切実さに「私もです!」と共感してもらえることへの嬉しさがありました。
そして「本当はこうしたいんですよね…」と自ら改善案を出したりと、参加者さん自身が答えを見つけていかれたのです。
参加者さんたちが作るこの場が、かけがえのないものに思えて。私の手はなぜか小さく震えていました。
この講座自体はきっかけに過ぎず、みなさんの生活をすぐに改善する力はありません。
でも、参加者さんたちは互いに共感して励まし合って、とても心強い味方を得たかのようでした。
「働き方」は永遠のテーマだが方法はある。
働き方講座が終わった後もみなさんは互いに話し続けておられました。
さらに驚くことに、イベントのポップアップショップで売っていた、よむエラマの冊子やエラマガジン冊子が完売!熱い想いのままに買っていってくださいました。
イベントが終わっても、エラマの本たちが日々の助けになるよう願ってやみません。
人類が誕生してからずっと「働くこと」は永遠のテーマです。時に喜びを、そして大体は大変さを伴って、私たちは働き方と向き合っています。
働く悩みを一発で解決してくれる万能薬はまだ見つかっていません。
でもダメもとで始めた今回のイベントで、人と縁があって出会い、対話を通して誰かに支えてもらったり、自分も誰かの味方にもなれることを知りました。
それはきっと心地よく働いて生きる道につながっています。
誰かとの出会いや対話。それはエラマプロジェクトや私からあなたに贈るプレゼントです。
大人の私たちは社会で一人で闘わなければならない時もあるでしょう。そんな時はエラマプロジェクトのイベントや講座、この「よむエラマ」を読みにきてください。
そして私たちのプレゼントを受けとってください。あなたの味方はここにいるから。
フィンランドを語り合いたいあなたにも、なんだか疲れてしまったあなたにも、がんばり屋のあなたにも。
ご縁の国・島根と北欧フィンランドから、愛をこめて贈ります。
Text by ひらふく(おとな教育の実践人事)