こんにちはpieni(ピエニ)です。
この記事が公開される日はクリスマス。皆さんはどんな一日を過ごしていますか。
日本のクリスマスといえば、イルミネーションや街中に飾られる大きなツリー、クリスマスイベントなど華やかなイメージがあります。
恋人とクリスマスデート、友人や家族とクリスマスパーティー。様々なクリスマスの過ごし方があると思います。
中には平日だし仕事だし特に何もしない、という方や、ほんとは誰かと過ごしたい気持ちの方、反対にパーティーに誘われているけれど、ひとりでゆっくり過ごしたいなど、さまざまな自分の感情が見えてくる日かもしれませんね。
今回はクリスマスってそもそもどんな日?ということや、フィンランドのクリスマスの過ごし方から「わたし(自分自身)はどんなふうに過ごしたいと願っているのか」を見つめてみたいと思います。
そもそもクリスマスとは?
クリスマスとはどのように始まったのか?何の日なのか?
改めて尋ねると「どうだったっけ?」と考えてしまう人もいるのではないでしょうか。
この記事を書くまで、わたしもその一人でした。
クリスマスとは「イエス・キリストが降誕したことを祝う日」です。
イエス・キリストは神の子で、人の姿になって現れ多くの人を救ったとされています。
そのためイエス・キリストがこの世界に生まれてきたことに感謝し、祝う日とされています。
しかし12月25日にイエス・キリストが生まれたわけではありません。
クリスマスがいつから始まったのかは明らかではありませんが、ローマ帝国時代にペルシャから伝わった冬至の祭りが関係していたり、この時期に行われていた農耕の祭りの日にしたなど、クリスマスが12月25日になった理由には諸説あります。
日本のクリスマスについて考えてみた
日本ではじめてのクリスマスは歴史をさかのぼることはるか昔。戦国時代の16世紀なんだとか。
日本を訪れた宣教師達が、現在の山口県にてキリスト教信者を集め、キリスト降誕祭のミサを行ったことが始まりとされています。
その後、江戸幕府の禁教令によりキリスト教は禁止されたため、クリスマスを祝う文化は広まりませんでした。
時は流れて、明治時代。横浜で開業した明治屋が銀座進出とともにクリスマス商品を売り出したことで注目され始めました。
その後、大正天皇の崩御の日が12月25日(1926年・大正15年)であり、12月25日が大正天皇祭(国民の休日)と定められたことにより、クリスマスが普及するきっかけになります。
戦後は、日本特有のクリスマスケーキが誕生したり、デパートでクリスマス商戦が繰り広げられるなどして、日本のクリスマス文化が展開していきました。
もともとはキリスト教の祈りや感謝の時間であったクリスマスのはずですが、日本では商戦としての意味合いが強いように感じます。
また「恋人はサンタクロース」(1980年・松任谷由実)を1982年に松田聖子がカバーしたことにより、クリスマスプレゼントは子どもだけでなく、恋人へ贈るものという新しい流れが生まれ、宗教的な意味より、恋人達の一大イベントへ変化していったという推測もあります。
わたしは20代のころ、クリスマスは一人でいたら孤独、恋人や友人と過ごさなければ、寂しい人というレッテルを貼られるという感覚を持っていました。
「クリぼっち」という言葉も過去には流行ったこともありましたね。
これは、日本でクリスマス文化が広まってきた歴史や背景ゆえの感覚だったのかもしれません。
もしそうであれば、だれと過ごそうが、どのように過ごそうが、一人であっても、日常と変わらないように過ごしても、まったく問題ないなと思えてきます。
フィンランドのクリスマスの過ごし方とは?
それでは、フィンランドのクリスマスはどのような過ごし方なのか。
フィンランドで日本語講師をされていた「たにしきあやこ」さん(現在はフィンランド語講師)にお話を伺いました。
私はヘルシンキのような街にはいなくて、ラハティの森の中でクリスマスを迎えました。
それはそれは静かなクリスマスで、12月の頭を過ぎたら、ホストファザーが森にもみの木を伐採しに行き、クリスマスツリーにして飾りつけを始めます。
(伐採は数本なら許可されていると思います)
クリスマスカードが親戚や友達から届き始めるので(切手もクリスマス限定切手になる)それをツリー下に置いたりしてワクワク感を楽しみます。
子どもがいる家庭はクリスマス前日にプレゼントをツリー下に置き、サンタから届いたプレゼントの開封を楽しみます。
クリスマス料理のメインは豚のハム、付け合わせに人参グラタン。シナモン・カルダモンなどのスパイスを効かせたホットワイン「グロッギ]」、星型のパイ生地の中央にプルーンジャムをのせた「ヨウルトルットゥ」や「ジンジャークッキー」を1週間ぐらい食べ続けます。
とにかく地方も街中もクリスマス当日はキャンドルに火を灯し、家族で静かにお祝いします。
イルミネーションが華々しいのは都会の一部で、森の中に住む戸建てのお家はむしろ灯りは落として、静かに深々と降る雪を見ながらお祝いするイメージです。
このように教えていただきました。
雪が降り積もる静かな景色の中、家族とあたたかなクリスマスを過ごす情景が目の前に浮かぶようでした。
また、日本に来られていたフィンランドの方にお話を伺ったときは、家族と一緒に真夜中のクリスマスミサに出かける習慣があると聞きました。
また、真夜中のミサに行く子どもの気持ちを歌ったクリスマス曲もあると教えてもらいました。
フィンランドのクリスマスの過ごし方を聞き、少し昔(わたしが子どもだった昭和の終わりごろ)の日本の年末やお正月のようだと感じ、懐かしさを覚えました。
祖父の作ったしめ縄を家中に飾り、大晦日は家族そろって年越しそばを食べ、除夜の鐘をつきにいく。お正月はお年玉をもらったり、祖母や母が作ったおせちをしばらくの間食べ続ける。そして近所の神社へ初詣へ行く。
このような日本のお正月の過ごし方と、フィンランドのクリスマスにはなんだか共通点を感じます。
わたしが過ごしたいクリスマスの一日
日本とフィンランドのクリスマスを比較してみましたが、どちらが良いか悪いかの話ではなく、わたし自身はどのように過ごしているかを考えてみました。
今は子どもがまだ幼いので、サンタさんからのプレゼントを用意して家族で過ごす時間にしています。
また、今年は子どもからのリクエストがあり、クリスマスケーキを一緒に作ったり、もらったプレゼントでゆっくりと一緒に遊ぶ約束をしました。
このような過ごし方をしますが、改めて考えてみたところ、ここにプラスしたいことが出てきました。
私の家族はキリスト教徒ではないので、ミサに出かけたりはしませんが、子どもの頃にすごしたお正月のように、どこか遠くへ出かけたり、特別なことをしなくても、まさに今ここで家族で平和に暮らせていることへの感謝を感じてみます。
そしてそれを家族や自分自身へも伝える日にしてみようと思います。
普段から伝えられるといいのですが、ちょっぴり照れくさいのでこの機会に。
クリスマスだけではない日々の過ごし方とは
今回は日本やフィンランドのクリスマスをピックアップして、その過ごし方を問いかけてみましたが「自分自身がどのように過ごしたいか」と考えてみることは、日々の暮らしにも反映できることだと思っています。
・華やかで、ワクワクすることがいっぱいの日々を過ごしたい
・穏やかで落ち着いた静かな日々を過ごしたい
・華やかさもあるし、落ち着きもあるバランスいい日々を過ごしたい
・家族や友人に囲まれた賑やかな日々がいい
・人数は多くなくても、深く付き合える大切な人と日々を分かち合いたい
などなど、百人百様の考え方があると思います。
あなたはどんなクリスマスの1日を過ごしたいですか?誰と一緒に何を感じる時間にしたいですか?
この問いかけを残したいと思います。
このような過ごし方を考える時間も、自分自身を見つめて、幸せに生きるための大切なひと時になります。
この機会にぜひ一度考えてみてくださいね。
Text by 丹波フィンランド大使pieni(ピエニ)