Elämäプロジェクト

こんにちは、エラマプロジェクトです。

あなたは自分のことを「人見知り」だと感じますか?

実は、日本人の約7割が「自分は人見知りだ」と感じているという調査結果があるようです。

一方、北欧の国フィンランドの人も「シャイ」「物静か」という印象を持たれることが多いです。

一見すると似ている両国の国民性ですが、その裏にある文化的な背景には、面白い違いが見られます。

そこで今回は、日本とフィンランドのコミュニケーションの奥深さを探ってみたいと思います。

「人見知り」の質が違う

日本人の多くが、自分のことを人見知りだと感じていますが、この感覚はどこから来たのでしょう?

一説によると、控えめに振る舞うことを重んじ、自己主張を控える価値観が、人見知りに影響していると言われています。

例えば、江戸時代の村社会では、村という共同体から仲間外れにされてしまったら、生きていけなくなってしまいます。そのため、目立たないようにしたいという意識が働き、それが人見知りという性質につながっていったようなのです。

日本のように協調性を大切にする文化においては、空気を読む能力が求められます。人見知りは、他人との衝突を避け、和を乱さないようにと、空気を読んだ結果の産物なのかもしれません。

一方、フィンランドの人の人見知りは、「内向的」という言葉が近く、その根底にあるのは「他者への深い配慮」です。

彼らは、相手のパーソナルスペースを何よりも尊重します。相手の立場になって、「相手の邪魔をしたくない」という気持ちから、むやみに話しかけることを避ける傾向があります。

フィンランドの人たちにとって、シャイの理由は、自分本位ではなく「相手への思いやり」なのです。

世界一広い?フィンランドのパーソナルスペース

フィンランドの人のパーソナルスペースは、「世界一広い」と言われるほどです。

その象徴的な例が、バス停での待ち方。

たとえバス停に屋根があっても、人々は密集を避け、お互いに十分な距離を保って立ちます。

他人の領域に踏み込まないという意識が、物理的な距離として明確に現れるのです。

対照的に、日本のパーソナルスペースは状況に応じて伸び縮みします。

日本人はハグなどのスキンシップが少ない文化のため、コミュニケーションを取る際に、相手との距離は比較的広いスペースを保つことがあります。

その反面、満員電車や行列では、我々のパーソナルスペースは驚くほど狭くなります。

日本は、状況に応じて、パーソナルスペースを柔軟に使い分ける文化だと言えるでしょう。

フィンランドの「沈黙」と日本の「あいづち」

フィンランドの人の会話において、「沈黙」は気まずいものではありません。

むしろ、相手の話を深く考え、自分の思考を整理するための機能的な「思考する時間」と捉えられています。

相手が考えをまとめるまで静かに待つのが礼儀であり、話を遮ることは非常に失礼な行為だと考えられています。

かたや日本では、「あいづち」がコミュニケーションの潤滑油です。

その頻度はアメリカの人の2倍とも言われ、相手がまだ話している最中でも「うんうん」「なるほど」などとあいづちを挟むことで、「あなたの話をちゃんと聞いていますよ」というサインを送ります。

この文化差は、時に誤解を生むことがあるかもしれません。

フィンランドの人との会話で、日本流の頻繫なあいづちを打ってしまうと、相手にとってあいづちが「ノイズ」となってしまう恐れがあります。

相手のコミュニケーション文化を理解し、沈黙やあいづちを適度に使い分けられるようになると良いですね。

 「空気を読む」文化は同じだけど

前述したように、日本の「村社会」では、波風を立てないことが最重要でした。

その文化が、直接的な明言を避け、「本音と建前」を使い分けるコミュニケーションを生み出しました。

日本では「言わぬが花」という諺があるように、言葉にしない奥ゆかしさや美意識が存在するのです。

フィンランドも、言葉以外の文脈を重視し、相手の意図を「察する」文化があるという点では共通しています。

しかし、彼らには日本人のような「本音と建前」の概念はないようです。

フィンランドの人は状況を察したうえで、自分の意見を非常に率直に主張します。

その言葉は、時に「図星を突かれる」ほど鋭く、それでいて「シンプルで洗練された言葉」なのです。

日本人が空気を読んで「言わない」ことや「本音」を隠すのに対して、フィンランドの人は空気を読んだうえで正直な意見を伝えるのです。

メールや会話での不思議なコミュニケーションスタイル

文章でのコミュニケーションにも、興味深い違いが見られます。

日本の手紙やビジネスメールは、時候の挨拶や前置きが長く、さらに相手への配慮から「ご期待に添えず…」といった遠回しな表現が多用されます。

そして、フィンランドのコミュニケーションスタイルは、相手との関係性によって劇的に変化します。

初対面や仕事関係の場合: メールは極端に短く、用件や必要な情報のみが記されます。効率性が最優先です。

親しい友人や信頼する相手の場合: 一転して、非常に長い文章を送ることがあります。これは、自分の考えの「背景」や個人的な「ストーリー」を深く共有し、信頼する相手に自分の内面を誠実に伝えようとする行為なのです。

この使い分けは、フィンランドの人たちの「内向的だが、心を開いた相手にはとことん誠実」という国民性を反映しているのかもしれません。

まとめ

「人見知り」「物静かでシャイ」という点で、よく似ている日本人とフィンランド人。

しかしその内面を覗いてみると、行動の動機となる文化は異なっていました。

特に、調和の作り方に、その違いが凝縮されています。

日本の調和が、個々の意見を抑え、争いを避けることで生まれる一方、フィンランドの調和は、全員が正直に意見をテーブルに載せ、議論を重ねて合意を形成するスタイルとなっています。

あなたも今一度、自分のコミュニケーションの取り方を見つめなおしてみてはいかがでしょうか?

編集後記

私は高校の教員として教壇に立ったり、エラマプロジェクトで講座の配信を行ったりと、人前で話す機会が多い仕事をしています。

でも実は、自分のことを「人見知り」だと感じています。特に初対面の方と会う時は、いつもドキドキします。

昔は、そんな自分のことがあまり好きではありませんでした。けれど今は、自分の人見知りを直したいとは感じていません。

確かに人見知りが緩和されたら、私の行動や私を取り巻く世界は大きく変わることでしょう。

けれど、人見知りだからこそ、得られたものもきっとあると思います。

例えば相手の気持ちを想像したり、場の空気を感じ取ったりすることは、私が人見知りだからこそ、伸ばせた力ではないかと思うのです。

そんなふうに考えると、人見知りもまた、自分や相手を大切にするためのひとつのコミュニケーションの形なのだと思います。

人との距離の取り方や、沈黙の過ごし方には、その人らしさがにじむもの。

これからも自分なりのペースで、人とつながっていけたらいいなと思います。

(執筆:橘茉里)

こんにちは、エラマプロジェクトです。

森林に恵まれ、古くから木と共に暮らしてきた日本とフィンランド。

どちらも木造建築や木工品などの豊かな文化を持っていますが、その背景や職人のあり方には国ごとの違いもあります。

今回は木工の文化という切り口から、両国が大切にしてきたものを学び、暮らしに活かせるヒントを探してみましょう。

森林の特徴は?

日本は国土における森林率が約68%、フィンランドは約74%で、どちらも世界有数の森林国です。(出典:世界森林資源評価(FRA)2020より)

日本の森林のおよそ9割は、広葉樹を中心とした天然林と、スギやヒノキなどの針葉樹からなる人工林で構成されています。

一方、フィンランドの森林は、マツ・トウヒ・シラカバの3種でほとんどを占めます。木の生え方が密ではないので、風通しの良い森が多いのが特徴です。

動植物の生態系の多様さは日本の方が恵まれていますが、フィンランドの森も、トナカイやヘラジカなど北国らしい動物たちが生息する、豊かな生態系が広がっています。

森をめぐる歩み

日本では、古代から木を伐って暮らしに使ってきましたが、昔は「森を守りながら使う」という考えがまだ十分ではありませんでした。

そのため、7世紀頃から森が減り始め、平安京や平城京の造営、江戸や明治の大規模伐採で、山肌が見える「はげ山」も広がり、森林率は50%ほどまで落ち込みました。

紆余曲折を経て、植林の重要性が広まり、今では人工林も含めて、およそ7割まで緑を取り戻しています。

フィンランドでは、森を守るためのルールがしっかり決められています。

林業はとても盛んですが、むやみに木を伐ることはありません。

伐採するときには、木の年齢や状態をきちんと考えて、森がこれからも健やかでいられるように配慮されます。

そして伐った後は必ず植林などで森を再生させることが徹底されているのです。

木を運ぶ水の文化

日本は川を、フィンランドは湖を利用した水運文化を持っています。

日本では古代から、川を利用して木材を運ぶ「川下げ」が行われてきました。例えば、平城京や平安京の造営、江戸の町への木材供給にも、川が活用されました。

フィンランドには約19万もの湖があります。そのため、湖に木材を浮かべて運ぶ「浮遊ログ(丸太物流)」という、世界でも特殊な運搬方法が用いられてきました。

豊富な水資源を活かした運搬方法は、どちらの国でも生活を支える重要な技術でした。

美しい木造建築

近代に入るまで、日本の建築物の大部分は木造でした。

今でもなお、世界最古の木造建築である「法隆寺」、木造の城郭建築である「姫路城」、白川郷の「合掌造り」をはじめ、数多くの歴史的な木造建築が残されていますね。

そしてフィンランドでも、18世紀までに作られた建物は、木造建築が一般的でした。

世界最大の木造教会「ケリマキ教会」、世界遺産であるラウマ旧市街の木造建築地区が有名ですし、湖畔のボートハウスやサウナもほとんどが木造です。


白木を好む文化


日本では、表面加工を施していない白木(しらき)を好む傾向があります。

白木とは、塗装や着色を一切施さず、木本来の色合いや木目をそのまま活かした木材のことです。

主にヒノキ・スギ・ヒバなど木目の美しい木が使われ、日本では和室の柱や神社の建築、寿司店のカウンターなどに取り入れられています。白木によって、清らかさや木の美しさを表現できます。

そして白木の建造物といえば、伊勢神宮。
伊勢神宮では、遷宮といって、20年ごとに新しい社殿を建て替えます。時間がめぐり、生命が受け継がれていくことを実感しますね。

また、日常の暮らしでも家具や桶、ヒノキ風呂、障子の枠など、白木が多く使われてきました。

フィンランドもまた、木をそのまま生かす文化を持っています。

もともと階級社会ではなく、富を誇示するための豪華な装飾を必要としなかったことが、白木の文化につながったのではないかと推測できます。

ラハティのシベリウスホールなど、現代建築でも白木の美しさを生かしたデザインが多く見られます。

木工品と職人たち

日本はタンス、桶、漆器など、多様な木工品が生活に根づいてきました。

フィンランドでは、ククサや白樺皮のかごなど、自然素材を活かした実用品が今も愛されています。

どちらも自然の色や手触りを生かす姿勢が感じられます。

また、日本の昔ながらの職人は、道を極めるタイプのスペシャリスト型が多いです。

一方、フィンランドの木工職人は「デザイナー」「アーティスト」として、自分の付加価値を見出すジェネラリスト型が多いです。
彼らは、職業学校でビジネスや企画も学び、発信力や市場対応力に長けています。

おわりに

日本とフィンランドは、同じく木と共に生きてきた国。木造建築や白木を好む文化など多くの共通点も見えてきました。

木を活かす知恵や感性は、現代の暮らしにも活かせる宝物です。

あなたも、木の温もりを感じる時間を取り入れてみませんか?

編集後記

私は着物を着るので、着物の収納には桐ダンスを愛用しています。

桐の木は柔らかく細かい繊維を持っていて、湿気の多い時には水分を吸い、乾燥すると吐き出す性質があります。

桐ダンスは湿度管理に優れているので、着物を安心してしまっておけるのです。今は便利な収納用品が次々に登場していますが、「着物の収納と言えば桐ダンス」という感覚は、現代でも変わりません。やっぱり木の力ってすごいなぁと感じます。

こうした知恵を未来につなげていくことで、現代を生きる私たちと木との関わりは、もっと豊かになっていくのかもしれませんね。

(執筆:橘茉里)

こんにちは、エラマプロジェクトです。

現代は情報があふれ、つい「頭で考える」ことに偏りがちです。そんな今だからこそ、「五感で感じること」に目を向けてみませんか?

視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚。 この五つの感覚は、私たちが世界と出会い、つながるための入り口です。

森林率が世界トップクラスで、自然と共に生きてきた日本とフィンランドは、五感の使い方にも独自の美学と文化が息づいています。

今回は、両国の五感文化を通して、豊かに生きるヒントを見つけてみましょう。

五感を養うと、なにが変わる?

五感を意識して暮らすと、創造性や感受性が育ち、私たちの人間としての成長を促してくれます。

例えば、

現実を深く理解する:世界とのつながりを実感できる
感情や感受性が豊かに:美しいもの、心地よいものに心が動く
ひらめきを生む:感覚の刺激が創造性を育てる
ストレスを軽減する:香りや手触りが、心と体を整える
コミュニケーションが円滑に:感受性が高まることで、他者との関係も深まる


こうした五感の豊かさを、日本とフィンランドはどんなふうに育んできたのでしょうか?

視覚:引き算の美、余白の力

日本の「わびさび」を感じさせるデザイン、フィンランドの「シンプルで実用的」なデザイン。どちらも、余白や静けさに美を見出す感性が根付いています。

また、日本では渋く落ち着いた色合い、フィンランドでは雪や湖、森の色といった自然の色使いが好まれます。

華美に飾り立てるのではなく、「引き算」の発想で創られたデザインは、見る人の想像力を育ててくれます。

聴覚:虫の声と、静寂とロック

日本では、虫の音を「声」として聴き、自然と共にある感覚が大切にされています。虫の音を「言葉」として受け取る文化は、世界的にも珍しいものです。

一方フィンランドは「静けさ」を重んじる国ですが、同時にハードロックやメタル音楽の盛んな国でもあります。静と動、両方を大切にするその文化は、感覚の幅の広さを感じさせます。

嗅覚:自然の香りを味わう

日本では古くから、匂い袋や練香など、天然の草木を用いたお香の文化が発達してきました。今でも香りを通じて心を整える知恵が受け継がれています。

フィンランドでは、焚き火、スモークサウナ、森、ベリーの香りなどが暮らしの中に溶け込んでいます。コーヒー消費量が多く、コーヒーの香りも日常の一部です。

どちらの国も、自然な香りに重きを置いている点が共通しています。

味覚:旨味と素材のちから

日本は「うま味」という味覚を大切にし、出汁を使って味に奥行きを出します。「UMAMI」は今や世界で通じる言葉となりました。

フィンランドの料理は、塩、胡椒、ハーブなどを使ったシンプルな味付けで、素材そのものの味を活かします。ライ麦パンやサワークリーム、塩漬けの魚やチーズなど、酸味や塩味が日常の味です。

触覚:手で感じる、暮らしの温度

日本家屋は、畳や障子、木の柱など植物由来の素材から成るため、それらに触れる習慣があり、自然素材を身近に感じる文化があります。

フィンランドでは、ウールやリネン、木工製品、そして編み物の文化が根強く、「編む」という行為そのものが心を整える時間になっています。

どちらも「手で触れること」を大切にし、そこから得られる安心感を暮らしに取り入れているのです。

今、五感を見直す意味とは?

風土も歴史も違う日本とフィンランドですが、どちらの文化にも共通しているのは、自然とともにあること。

自然の音に耳を澄まし、香りを感じ、食を味わい、素材に触れる。
そんな丁寧な暮らし方が、五感を通して見えてきます。

遠い国同士のようでいて、実は心の奥深くでつながっている日本とフィンランド。その文化を知ることは、自分自身の感覚を広げていくことでもあります。

エラマプロジェクトでは、「和フィン折衷」という視点から、五感を養うことを「自分自身と向き合う行為」と捉えています。

日本の繊細な感性とフィンランドの静かな強さ。その両方を感じながら、自分にとって心地よい感覚を見つけ、日々の中で五感を大切にすることが、今を生きるヒントになるかもしれません。

編集後記

窓を開けて網戸にしていると、うちの猫たちはそっと窓辺に近づいて、その大きな瞳で外の様子をじっと見つめます。

鳥のさえずり、風に乗ってくる匂い、肌に触れる外気の気配、人の行き交う音。

彼らは五感をめいっぱい使って、外の世界を感じ取ろうとしているのです。

そんな姿を見ていると、「私は日々、自分の感覚をちゃんと使えているだろうか?」という問いが湧いてきます。

PCやスマホに頼って、自分の五感を置いてきぼりにしていたかも……。

そんな自分に気づいたら、「今日は香りを楽しんでみよう」「音に意識を向けてみよう」と、五感を大切にしたいなと思います。そういう小さな選択が、暮らしをさらに豊かにしてくれる気がします。

ぜひみなさんも、今まで以上に五感を大切に過ごしてみてください。今日という日が、あなたによって優しく豊かな感覚に包まれたものでありますように。


(執筆:橘茉里)

※この記事は、2025年5月8日のエラマのYouTubeチャンネルでLIVE配信した無料講座の内容をコラムとしてまとめています。

YouTubeのアーカイブ動画はこちら

「心の闇」と聞くと、少し重たいテーマに感じるかもしれません。しかし、誰にでも訪れる可能性のあるこの感情とどう向き合っていくかは、現代社会を生きる私たちにとって大切な視点ではないでしょうか。

今回の「和フィン折衷ゼミ」では、「心の闇」をテーマに、和文化とフィンランド文化それぞれにおける捉え方や向き合い方、そして解消法について深掘りしていきます。

心の闇とは?ネガティブな感情から過去のトラウマまで

まず、「心の闇」とは具体的に何を指すのでしょうか。一般的には、以下のようなものが挙げられます。

ネガティブな感情や思考: 怒り、不安、絶望など
平静を装う状態: 内心では怒りや悲しみを抱えながらも、表面的には平静を装うこと
過去の傷やトラウマ
・他人に見せない内面: 表と裏で異なる顔を見せること
誰にでもあるもの: 特定の人だけでなく、人間誰しもが持ちうるもの

特に、日本には「五月病」という言葉があるように、季節の変わり目や環境の変化によって心が揺らぎやすい側面もあります。

心の闇と向き合う文化:和文化とフィンランド

和文化とフィンランド文化では、この「心の闇」とどのように向き合ってきたのでしょうか。

和文化における心の闇との向き合い方

日本では古来より、心の闇と向き合うための様々な文化や習慣が育まれてきました。

和歌: 喜びだけでなく、悲しみや苦しみといった感情も歌に詠むことで、心の闇と向き合ってきました。古今和歌集の序文には「やまとうたは、人の心を種として、よろづの言の葉とぞなれりける」とあり、歌が人の心から生まれるものであることが示されています。
道を極める(座禅など): 茶道や武道、そして座禅といった「道」を極める行為は、自分自身と向き合い、悟りを目指す中で、心の闇とも対峙するプロセスを含んでいます。
日記文学: 平安時代の女流文学などに見られるように、日記に自らの苦悩や葛藤を綴ることで、心の闇を表現し、昇華しようとする試みもありました。例えば、藤原道綱母の『蜻蛉日記』は、夫との関係に悩み苦しむ心情が赤裸々に描かれています。

フィンランド文化における心の闇との向き合い方

一方、フィンランドでは以下のような形で心の闇と向き合っています。

読書: フィンランドは国民の読書量が非常に多く、図書館の利用率も世界トップクラスです。図書館は「第三の場所(サードプレイス)」として重要な役割を担っており、静かに自分と向き合う時間を提供しています。
アート: フィンランドでは、アートが生活に根付いています。プロの芸術家だけでなく、一般の人々も文化活動に積極的に参加し、絵画や音楽などを通して内面を表現します。
サウナ: フィンランドのサウナは、単に体を温めるだけでなく、静かに自分自身と向き合い、本音を語り合える場所でもあります。暗く静かな空間で、心の闇と対話する時間となることもあります。

心の闇とアート:表現することで見えてくるもの

心の闇は、アート作品の重要なテーマともなり得ます。

和文化におけるアートと心の闇

文学作品: 夏目漱石や太宰治、芥川龍之介といった文豪たちの作品には、人間の内面の葛藤や苦悩、孤独といった「心の闇」が深く描かれています。
古典芸能: 能や歌舞伎などの中にも、人間の情念や業といったものが表現され、観る者に深い共感を呼び起こします。

フィンランド文化におけるアートと心の闇

ムーミン: 世界中で愛されるムーミンの物語には、実は奥深い哲学や、登場人物たちの抱える孤独や不安といった「陰影」も描かれています。大人になってから読むと、新たな発見があるかもしれません。
タンゴ: アルゼンチンタンゴとは異なる、哀愁漂うフィンランドタンゴは、魂の叫びや失恋、望郷の念といった感情を表現する音楽として親しまれています。一説には、タンゴの発祥はフィンランドではないかという説もあるほどです。
ヘヴィメタル: フィンランドはヘヴィメタル大国としても知られています。激しい音楽を通して、心の奥底にある感情を解放する手段となっているのかもしれません。

心の闇を解消する方法:光を見出すヒント

では、実際に心の闇を感じた時、どのように解消していけば良いのでしょうか。

和文化における解消法

邪気払い: 節分や大晦日など、季節の節目に行われる行事には、邪気を払い、新たな気持ちでスタートするという意味合いが込められています。
涙を流す: 古典文学などにも見られるように、悲しい時や辛い時に涙を流すことは、感情を解放する一つの方法として捉えられてきました。武士でさえも、時には涙を流したとされています。
飲酒: 日本には古くから酒を楽しむ文化があり、「憂さを晴らす」といった言葉もあるように、適度な飲酒が気晴らしとなることもあります。ただし、飲みすぎには注意が必要です。

フィンランド文化における解消法

太陽光を浴びる: 冬の日照時間が短いフィンランドでは、太陽光を浴びることが非常に重要視されています。光線療法(ライトセラピー)も治療法の一つとして取り入れられています。
ヘヴィメタルを聴く・演奏する: 前述の通り、ヘヴィメタルは感情を爆発させる手段として機能していると考えられます。
焚き火やキャンドル: 暗い冬の長い夜、焚き火やキャンドルの温かい光は、心を落ち着かせ、闇を照らすぬくもりとなります。
外気浴: サウナの後に外気にあたることは、心身をリフレッシュさせ、フラットな状態に戻す効果があります。特に、ありのままの自分で自然の中に身を置くことは、解放感につながります。

個人的におすすめの心の闇解消法

最後に、出演者それぞれが個人的におすすめする心の闇との向き合い方をご紹介します。

マリ先生のおすすめ:
悲しみに浸って飽きるのを待つ: 無理に浮上しようとせず、感情に身を任せ、自然と心が落ち着くのを待つ。
わざと号泣する: 泣ける映画などを観て思いっきり泣き、感情を解放する。

石原のおすすめ:
外気浴: 温泉やサウナの後、ありのままの姿で外気に触れることで、心身ともにリフレッシュし、フラットな状態になる。

まとめ:心の闇と光のバランス

心の闇は、決して特別なものではなく、誰にでも訪れるものです。大切なのは、その闇とどう向き合い、自分なりの光を見つけていくかということ。和文化とフィンランド文化、それぞれの知恵を参考にしながら、自分に合った方法で心のバランスを整えていけると良いですね。

会員制コミュニティ「エラマの森」では、このような深い学びのコンテンツを、動画で、コラムで毎日配信しています。

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みなさん、こんにちは!エラマプロジェクトです。
今日は、私たちがいつも発信している「和フィン折衷」について、少し深掘りしてみようと思います。

「和フィン折衷」とは、なんだか難しい言葉に聞こえるかもしれませんが、実はとてもシンプルなんです。
簡単に言うと、日本(和)とフィンランド(フィン)の良いところを混ぜて、新しい何かを生み出そう!という、エラマ独自のコンセプトなのです。
ただ単に文化を比べるだけでなく、それぞれの良さを理解し合って、今の私たちの暮らしをもっと面白く、豊かにしていくのが目的です。

和フィン折衷の、ここが魅力です!

文化の融合: 日本の繊細な美意識と、フィンランドのシンプルで機能的なデザインが合わさると、本当に新しい発見があるのです。

異文化理解の促進: まったく違うように見える文化も、よくよく見てみると共通点があったりして面白いです。そこから、新しい「気づき」が生まれるのです。

実践的なアプローチ: 理想論だけではなく、実際に私たちの生活に取り入れられるようなアイデアを、みんなで試行錯誤していくのがエラマ流です。

フィンランドのRajatonの曲に乗せて伝統舞踊・剣詩舞パフォーマス

具体的にどんなことをしているのでしょうか?

たとえば…

デザインやモノづくり: フィンランドのデザインを参考に、日本の伝統工芸をアップデートしてみたりします。

生き方改革: フィンランドの「シス(SISU)」という、困難に立ち向かう精神と、日本の「根性」を掛け合わせて、タフでしなやかな生き方を探求したりします。

自然との付き合い方: 日本とフィンランドは、どちらも四季が豊かな国なので、それぞれの自然観を参考に、もっとサステナブルな暮らし方を見つけたりします。

子育てや教育: フィンランドの自由な教育と、日本の伝統的な教育の良いところを組み合わせて、子どもたちが自分らしく伸び伸び育つような新しいアプローチを考えたりします。

着物とマリメッコを合わせたファッションを実践する和文化エバンジェリストの橘茉里先生

エラマプロジェクト、こんな活動をしています!

「和フィン折衷」をみなさんに知っていただき、一緒に楽しむために、エラマはこのような活動をしています。

トークイベント&ワークショップ: フィンランドと日本の文化に詳しい方々をお呼びして、みんなで語り合ったり、実際に手を動かして体験できる場をつくったりします。

メディア発信: ブログやYouTubeで、私たちの活動や、和フィン折衷の魅力を発信しています。

体験型イベント: 和フィン折衷を体感できるイベントを企画しています。みんなでワイワイ楽しみましょう。

コミュニティ「エラマの森」: オンラインやオフラインで、みんなで繋がれる場所です。気軽にお話できる仲間を見つけてください。

「和フィン折衷」で、どんな未来が待っているのでしょう?

新しい視点の獲得: 自分の文化を客観的に見つめ直すことで、新たな価値観に気づけるかもしれません。

創造性の促進: 違う文化の要素が組み合わさることで、予想外のアイデアや解決策が生まれる可能性が大きいです。

グローバルな視点: 異文化を理解することで、世界はもっと広がるでしょう。国際人としての第一歩を踏み出しましょう。

人生が豊かに!: 両方の文化の良いところを取り入れることで、毎日がもっと楽しく、充実したものになるはずです。

エラマの「和フィン折衷」は、ただの文化交流ではありません。
もっと自由で、もっとワクワクする、新しい生き方を見つけ出すための冒険なのです。
日本とフィンランド、そして世界中の文化の魅力を再発見して、みんなで一緒に、もっと豊かな暮らしを創造していきましょう!

そして、そのヒントをさらに深めるために、ぜひこちらの無料オンライン講座にご参加ください!

和フィン折衷の研究講座
〜和文化とフィンランドの五感を使う文化〜

日時: 2月19日(水) 21:00〜21:30
場所: エラマYouTubeチャンネルにて配信
参加費: 無料

内容:
フィンランドと和文化の視点から、「豊かで幸せな自分らしい生き方」を探求します。
今月のテーマは「五感を使う文化」。日本の美意識とフィンランドの自然への敬意を、五感を通して体感します。

講師は、フィンランド生涯教育研究家の石原侑美と、和文化伝道師の橘茉里。家庭料理や手作り料理にも焦点を当てながら、文化の奥深さを紐解きます。

↓画像をタップして詳細を確認!

一緒に、新しい文化の扉を開きましょう!

2024年6月30日(日)、エラマ図書館にて「夏至の和フィン文化祭」を開催しました。

あいにくの雨模様でしたが、多くのお客様にご来場いただき、大盛況のうちに幕を閉じることができました。

和文化とフィンランド文化の共通点を探る旅

エラマプロジェクトでは、岐阜県高山市にエラマ図書館を常設しています。フィンランドの図書館のような落ち着いた雰囲気の中で、集中できる空間を提供しています。

今回の文化祭では、「和文化とフィンランド、略して「和フィン」」をテーマに、両国の文化の共通点を探る旅をお届けしました。

マルシェ、ワークショップ、リーディング体験など多彩なコンテンツ

会場では、エラマショップ、エラマbouzuコーヒー、MITSUWA/pashural、里&山 -SATOTOYAMA-、メメアウリン、アドラーブル、おさかのパン ひこまさ、osio craft、KOIVUなど、個性豊かな出店が軒を連ねました。

フィンランドの木工雑貨やオリジナルのお香、自家製ライ麦のヒンメリ、富山県産の干し柿スイーツ、フィンランド旧硬貨を使ったリーディング体験など、見て、聞いて、触って、嗅いで、味わって、五感で和文化とフィンランドに触れることができました。

また、ヒンメリ作り体験ワークショップや木のスプーン作り体験ワークショップも開催され、参加者たちは熱心に制作に励んでいました。

クイズ抽選企画でフィンランドの魅力を再発見

エラマ図書館の本を活用したクイズ抽選企画も好評でした。「日本とフィンランドの共通点はなんですか?」というテーマで、参加者たちはエラマ図書館の本を参考に、自分なりの答えを考えました。

「Ihana/イハナ!=素晴らしい!」と認定された回答者には、夏至賞、ユハンヌス賞、和えらま賞、moi賞など、魅力的な賞品が贈られました。

クイズ抽選企画は無料で開催し、3時間で企画に挑戦し終了しました。

「こんなにフィンランドと日本に共通点があるなんて知らなかった!」とおっしゃっていただき、中には1時間も図書館に滞在して、ゆっくりじっくり本を読みながら真剣に取り組まれている方がいらっしゃいました。

皆様大変喜ばれ、主催者もフィンランドについてお伝えできる豊かな時間となりました。

出店者・来場者からの喜びの声

イベント終了後、出店者の方々からは「ゆっくりとした空間で、お客様とじっくりお話しできた」「こんな楽しい経験は初めて!」といった喜びの声が寄せられました。

来場者の方々からも「楽しかった!」「満足した!」といった声が聞かれ、エラマ図書館が地域の人々に愛されていることを改めて実感しました。

次回開催も予定中!

今回のイベントは、エラマプロジェクトの活動の一環として、和文化とフィンランド文化の架け橋となることを目指して開催されました。

次回開催は未定ですが、引き続き、エラマ図書館を拠点に、様々なイベントを開催していく予定です。

ぜひ、次回もエラマ図書館に遊びに来てください!