
年末が近づくと、暮らしは少しずつ慌ただしさを帯びていきます。
その一方で、どこか静けさが深まっていくような気配を感じることもあります。
日本では大掃除やお正月の準備が始まり、フィンランドでは、街を照らす灯りがともり始めます。
今回は、日本とフィンランドの年末年始を比べながら、それぞれの文化が大切にしている価値観や暮らしの知恵を見つめていきましょう。
日本の年末:清めて手放し、お正月を迎える
私たちが「年末」と聞いて思い浮かべる大掃除や年越しそば、除夜の鐘。
これらの行事の根底には、「お正月に年神様をお迎えする準備」という考え方があります。
■ 12月13日頃:正月事始め
正月事始めは、12月13日に行われる、正月の準備を正式に始める日のことです。
正月の行事は、年神(歳神)さまを迎えるための一連の儀式と考えられ、この日は「年神(歳神)さまを迎える支度の始まり」の日なのです。
この日には、門松に使う松を山に採りに行く「松迎え」や、正月料理づくりの準備として、囲炉裏やかまどを清める「煤払い(すすはらい)」が行われました。
■ 大晦日:清めの一日
神社では、年に二度の大祓(6月・12月)が行われます。
宮中行事として古くから伝わる「追儺(ついな)」という鬼払いの行事も、もとは大晦日に行われていたもので、その後、節分行事へと変化していきました。
■ 年越しそばと除夜の鐘
大晦日に年越しそばを食べるのは、そばは切れやすいため、「悪縁を断つ」「区切りをつける」という願いが込められているからです。
そして夜には108回の寺の鐘の音とともに、煩悩をひとつずつ手放していく。大晦日は、一年を清めて整える「締めくくりの日」でした。
フィンランドの年末:クリスマスと独立記念日
日本の12月と言えば、年越しにまつわる行事が重要視されていますが、フィンランドでは、11月初旬から続くクリスマス(Joulu)が重要な行事となっています。
■ 11月からの楽しみ「Pikkujoulu(ピックヨウル)」
フィンランド語で「小さなクリスマス」を意味するピックヨウル。これは日本でいう「忘年会」のようなものです。
11月頃から、職場や友人たちと集まって食事やパーティーを楽しみます。静かに過ごす本番のクリスマスとは対照的に、賑やかに一年の労をねぎらう大切な文化です。
■ 12月6日:独立記念日
ロシアからの独立を祝う大切な祝日です。この日には、大統領官邸での晩餐会が生中継され、多くの国民がテレビの前で見守ります。
また、夕方6時から8時の間、家の窓辺に「2本のキャンドル(フィンランド国旗の青と白)」を灯す伝統があります。これは戦没者への追悼と、平和への祈りが込められた静かで厳かな習慣です。
■ Joulu(ヨウル)=冬至祭が原型
フィンランド語でクリスマスを意味する「Joulu」は、キリスト教以前の冬至祭が由来の言葉。「冬至を無事に越え、春の訪れを祈る」という意味合いがあります。
そして、クリスマスイブの正午には「クリスマスの平和宣言」が行われ、そこから国中が静寂に包まれます。
欠かせないのが「クリスマスサウナ(Joulusauna)」です。
日本の大晦日の入浴のように、サウナに入って心身の垢を落とし、清らかな体でクリスマスのお祝いのご馳走をいただくのが習わしです。サウナには妖精(トントゥ)が住んでいるとされ、静かに入るのがマナーとされています。
日本の年始:年神様を迎える時間
日本のお正月は、「年神さまを家にお迎えする」という考え方が根底にあります。
■ 門松
松は神様が降りてくる「依り代」の役割があります。正月飾りの門松は神様への目印であり、さらに宿る場所でもあるのです。
■ 鏡餅
円形の餅は「鏡」に見立てられ、神様が宿る象徴とされてきました。
神社のご神鏡のイメージともつながるお供え物です。
■ 松の内と七草粥
松の内は、年神さまが家に滞在する期間のことです。関東では1月7日頃まで、他地域では15日までとされることもあります。
最終日には七草粥を食べ、飾りを納め、日常へと戻っていきます。
■ 初詣が広まったのは明治期
現在のように有名神社へ出かけていく初詣は、明治期の鉄道会社のPRで広まった比較的新しい習慣です。
それ以前は、その年の吉方にある身近な社寺へ参る「恵方参り」がより一般的でした。
フィンランドの年始:意外とあっさり?
フィンランドでは、年末に比べると年始はとても静かです。
■ 錫(すず)占いで未来を知る
大晦日の夜の楽しみといえば、「Uudenvuodentina(ウーデンヴォデンティナ)」と呼ばれる錫(すず)占いです。
蹄鉄の形をした錫を小さな柄杓に入れて火で溶かし、バケツの水に一気に落として固めます。
固まった錫の形や、その影が何に見えるかで、新年の運勢を占うのです(例:船の形なら旅行に行ける、表面がボコボコしていたらお金持ちになる、など)。
日本の「おみくじ」のような感覚で、大人も子供も盛り上がります。
■ カウントダウンと日常への回帰
年越しの瞬間には、自治体が主催する花火が夜空を彩り、シャンパンで乾杯をして新年を祝います。
1月1日は祝日ですが、2日からはすぐに仕事や学校が始まります。
ただ、クリスマスの飾り付けは「公現祭(Loppiainen)」のある1月6日頃までそのままにされ、街にはまだ冬の魔法が残っています。
「年末の主役はクリスマス。年始はすっと日常へ」
その切り替えの早さも、フィンランドらしい合理性かもしれません。
年末年始を味わう「食」の文化
節目の時間には、食卓にも文化が宿ります。
■ 日本の食文化
日本では大晦日に食べる「年越しそば」や正月の「おせち」などが年末年始の代表的な料理ですね。
「年越しそば」は、もともと地域によっては「晦日(みそか)そば」と呼ばれ、月末に食べられていたようです。切れやすいそばは「厄落とし」の象徴と考えられ、こういった節目に食べるようになりました。
また「おせち料理」について、「節(せち)」とは五節句などの“季節の特別な日”のことで、その日に神様へ供える料理のことを「御節供(おせちく)」と言います。つまり、「おせち」のことですね。
正月料理として現在の形が定着しました。北海道や東北では、大晦日から食べる地域もあります。
■ フィンランドの食文化
クリスマスの朝に食べる定番といえば、お米を牛乳で甘く煮込んだミルク粥「Riisipuuro(リーシプーロ)」です。
シナモンと砂糖をかけて食べるのが一般的ですが、このお鍋の中に一粒だけ「皮をむいたアーモンド」を隠し入れます。
取り分けられた自分のお皿にアーモンドが入っていた人は、次の年にとても幸運が訪れる(あるいは結婚できる!)と言われています。
日本の七草粥や鏡開きのように、食卓で幸福を願う温かい習慣です。
和フィン折衷の年末年始アイデア
エラマプロジェクトから皆さまに、豊かで幸せな暮らしを送るヒントとなるような、和フィン折衷の年末年始の過ごし方アイディアをご紹介します。
1. 暮らしに「ちょこっと和」を取り入れる
年末年始は和のものを暮らしに取り入れやすい時期です。
例えば、和柄の小物を使ったり、タンスにしまい込んでいる和食器を出してみたり。忙しくておせちを作る余裕がない方も、一品だけは作ってみたり。
無理なくできる小さな一歩で、季節の感覚がぐっと豊かになります。
2. テレビを消して、音のない夜を味わう
大晦日の夜、家の中の音を消してみると、外からは様々な音が聞こえてきます。
遠くの鐘の音、街の気配、静けさという音。耳を澄ませると、節目の空気が立ち上ってきます。
3. フィンランド流・穏やかな時間をつくる
キャンドルを灯し、温かい飲み物を片手に、いつもよりゆっくり過ごす夜をつくってみましょう。
日本の「清め」とフィンランドの「静けさ」は、どちらも心を整える力を持っています。
おわりに
文化は違うのに、節目を迎えるときの感覚には共通するものがある。日本とフィンランドの年末年始を並べてみると、そんなことに気づきます。
暮らしを整えること。
自然のリズムに寄り添うこと。
家族と温かな時間を分かち合うこと。
静かな気づきをくれる季節を、今年はどんなふうに味わいたいでしょうか。
日本とフィンランド、それぞれの良さが、あなたの年末年始を少し豊かにしてくれますように。
編集後記
近年、大晦日は自宅にて一人で迎えることが多いです。
家じゅうの音を消して、いつもより早く布団に入って、そして静けさの中でゆっくりと自己との対話を行います。そして、猫たちの寝息に耳を澄ませながら、今年も無事に過ごせたことへの感謝を嚙みしめます。
その時間は私にとって、とても豊かな過ごし方です。賑やかな年越しもいいけれど、こんな過ごし方もおすすめですよ。
ぜひあなたらしい年越しスタイルを見つけてみてくださいね。
(執筆:橘茉里)

こんにちは、エラマプロジェクトです。
あなたは自分のことを「人見知り」だと感じますか?
実は、日本人の約7割が「自分は人見知りだ」と感じているという調査結果があるようです。
一方、北欧の国フィンランドの人も「シャイ」「物静か」という印象を持たれることが多いです。
一見すると似ている両国の国民性ですが、その裏にある文化的な背景には、面白い違いが見られます。
そこで今回は、日本とフィンランドのコミュニケーションの奥深さを探ってみたいと思います。
「人見知り」の質が違う
日本人の多くが、自分のことを人見知りだと感じていますが、この感覚はどこから来たのでしょう?
一説によると、控えめに振る舞うことを重んじ、自己主張を控える価値観が、人見知りに影響していると言われています。
例えば、江戸時代の村社会では、村という共同体から仲間外れにされてしまったら、生きていけなくなってしまいます。そのため、目立たないようにしたいという意識が働き、それが人見知りという性質につながっていったようなのです。
日本のように協調性を大切にする文化においては、空気を読む能力が求められます。人見知りは、他人との衝突を避け、和を乱さないようにと、空気を読んだ結果の産物なのかもしれません。
一方、フィンランドの人の人見知りは、「内向的」という言葉が近く、その根底にあるのは「他者への深い配慮」です。
彼らは、相手のパーソナルスペースを何よりも尊重します。相手の立場になって、「相手の邪魔をしたくない」という気持ちから、むやみに話しかけることを避ける傾向があります。
フィンランドの人たちにとって、シャイの理由は、自分本位ではなく「相手への思いやり」なのです。
世界一広い?フィンランドのパーソナルスペース

フィンランドの人のパーソナルスペースは、「世界一広い」と言われるほどです。
その象徴的な例が、バス停での待ち方。
たとえバス停に屋根があっても、人々は密集を避け、お互いに十分な距離を保って立ちます。
他人の領域に踏み込まないという意識が、物理的な距離として明確に現れるのです。
対照的に、日本のパーソナルスペースは状況に応じて伸び縮みします。
日本人はハグなどのスキンシップが少ない文化のため、コミュニケーションを取る際に、相手との距離は比較的広いスペースを保つことがあります。
その反面、満員電車や行列では、我々のパーソナルスペースは驚くほど狭くなります。
日本は、状況に応じて、パーソナルスペースを柔軟に使い分ける文化だと言えるでしょう。
フィンランドの「沈黙」と日本の「あいづち」
フィンランドの人の会話において、「沈黙」は気まずいものではありません。
むしろ、相手の話を深く考え、自分の思考を整理するための機能的な「思考する時間」と捉えられています。
相手が考えをまとめるまで静かに待つのが礼儀であり、話を遮ることは非常に失礼な行為だと考えられています。
かたや日本では、「あいづち」がコミュニケーションの潤滑油です。
その頻度はアメリカの人の2倍とも言われ、相手がまだ話している最中でも「うんうん」「なるほど」などとあいづちを挟むことで、「あなたの話をちゃんと聞いていますよ」というサインを送ります。
この文化差は、時に誤解を生むことがあるかもしれません。
フィンランドの人との会話で、日本流の頻繫なあいづちを打ってしまうと、相手にとってあいづちが「ノイズ」となってしまう恐れがあります。
相手のコミュニケーション文化を理解し、沈黙やあいづちを適度に使い分けられるようになると良いですね。
「空気を読む」文化は同じだけど
前述したように、日本の「村社会」では、波風を立てないことが最重要でした。
その文化が、直接的な明言を避け、「本音と建前」を使い分けるコミュニケーションを生み出しました。
日本では「言わぬが花」という諺があるように、言葉にしない奥ゆかしさや美意識が存在するのです。
フィンランドも、言葉以外の文脈を重視し、相手の意図を「察する」文化があるという点では共通しています。
しかし、彼らには日本人のような「本音と建前」の概念はないようです。
フィンランドの人は状況を察したうえで、自分の意見を非常に率直に主張します。
その言葉は、時に「図星を突かれる」ほど鋭く、それでいて「シンプルで洗練された言葉」なのです。
日本人が空気を読んで「言わない」ことや「本音」を隠すのに対して、フィンランドの人は空気を読んだうえで正直な意見を伝えるのです。
メールや会話での不思議なコミュニケーションスタイル
文章でのコミュニケーションにも、興味深い違いが見られます。
日本の手紙やビジネスメールは、時候の挨拶や前置きが長く、さらに相手への配慮から「ご期待に添えず…」といった遠回しな表現が多用されます。
そして、フィンランドのコミュニケーションスタイルは、相手との関係性によって劇的に変化します。
• 初対面や仕事関係の場合: メールは極端に短く、用件や必要な情報のみが記されます。効率性が最優先です。
• 親しい友人や信頼する相手の場合: 一転して、非常に長い文章を送ることがあります。これは、自分の考えの「背景」や個人的な「ストーリー」を深く共有し、信頼する相手に自分の内面を誠実に伝えようとする行為なのです。
この使い分けは、フィンランドの人たちの「内向的だが、心を開いた相手にはとことん誠実」という国民性を反映しているのかもしれません。
まとめ
「人見知り」「物静かでシャイ」という点で、よく似ている日本人とフィンランド人。
しかしその内面を覗いてみると、行動の動機となる文化は異なっていました。
特に、調和の作り方に、その違いが凝縮されています。
日本の調和が、個々の意見を抑え、争いを避けることで生まれる一方、フィンランドの調和は、全員が正直に意見をテーブルに載せ、議論を重ねて合意を形成するスタイルとなっています。
あなたも今一度、自分のコミュニケーションの取り方を見つめなおしてみてはいかがでしょうか?
編集後記
私は高校の教員として教壇に立ったり、エラマプロジェクトで講座の配信を行ったりと、人前で話す機会が多い仕事をしています。
でも実は、自分のことを「人見知り」だと感じています。特に初対面の方と会う時は、いつもドキドキします。
昔は、そんな自分のことがあまり好きではありませんでした。けれど今は、自分の人見知りを直したいとは感じていません。
確かに人見知りが緩和されたら、私の行動や私を取り巻く世界は大きく変わることでしょう。
けれど、人見知りだからこそ、得られたものもきっとあると思います。
例えば相手の気持ちを想像したり、場の空気を感じ取ったりすることは、私が人見知りだからこそ、伸ばせた力ではないかと思うのです。
そんなふうに考えると、人見知りもまた、自分や相手を大切にするためのひとつのコミュニケーションの形なのだと思います。
人との距離の取り方や、沈黙の過ごし方には、その人らしさがにじむもの。
これからも自分なりのペースで、人とつながっていけたらいいなと思います。
(執筆:橘茉里)
こんにちは、エラマプロジェクトです。
森林に恵まれ、古くから木と共に暮らしてきた日本とフィンランド。
どちらも木造建築や木工品などの豊かな文化を持っていますが、その背景や職人のあり方には国ごとの違いもあります。
今回は木工の文化という切り口から、両国が大切にしてきたものを学び、暮らしに活かせるヒントを探してみましょう。
森林の特徴は?

日本は国土における森林率が約68%、フィンランドは約74%で、どちらも世界有数の森林国です。(出典:世界森林資源評価(FRA)2020より)
日本の森林のおよそ9割は、広葉樹を中心とした天然林と、スギやヒノキなどの針葉樹からなる人工林で構成されています。
一方、フィンランドの森林は、マツ・トウヒ・シラカバの3種でほとんどを占めます。木の生え方が密ではないので、風通しの良い森が多いのが特徴です。
動植物の生態系の多様さは日本の方が恵まれていますが、フィンランドの森も、トナカイやヘラジカなど北国らしい動物たちが生息する、豊かな生態系が広がっています。
森をめぐる歩み
日本では、古代から木を伐って暮らしに使ってきましたが、昔は「森を守りながら使う」という考えがまだ十分ではありませんでした。
そのため、7世紀頃から森が減り始め、平安京や平城京の造営、江戸や明治の大規模伐採で、山肌が見える「はげ山」も広がり、森林率は50%ほどまで落ち込みました。
紆余曲折を経て、植林の重要性が広まり、今では人工林も含めて、およそ7割まで緑を取り戻しています。
フィンランドでは、森を守るためのルールがしっかり決められています。
林業はとても盛んですが、むやみに木を伐ることはありません。
伐採するときには、木の年齢や状態をきちんと考えて、森がこれからも健やかでいられるように配慮されます。
そして伐った後は必ず植林などで森を再生させることが徹底されているのです。
木を運ぶ水の文化
日本は川を、フィンランドは湖を利用した水運文化を持っています。
日本では古代から、川を利用して木材を運ぶ「川下げ」が行われてきました。例えば、平城京や平安京の造営、江戸の町への木材供給にも、川が活用されました。
フィンランドには約19万もの湖があります。そのため、湖に木材を浮かべて運ぶ「浮遊ログ(丸太物流)」という、世界でも特殊な運搬方法が用いられてきました。
豊富な水資源を活かした運搬方法は、どちらの国でも生活を支える重要な技術でした。
美しい木造建築
近代に入るまで、日本の建築物の大部分は木造でした。
今でもなお、世界最古の木造建築である「法隆寺」、木造の城郭建築である「姫路城」、白川郷の「合掌造り」をはじめ、数多くの歴史的な木造建築が残されていますね。
そしてフィンランドでも、18世紀までに作られた建物は、木造建築が一般的でした。
世界最大の木造教会「ケリマキ教会」、世界遺産であるラウマ旧市街の木造建築地区が有名ですし、湖畔のボートハウスやサウナもほとんどが木造です。
白木を好む文化
日本では、表面加工を施していない白木(しらき)を好む傾向があります。
白木とは、塗装や着色を一切施さず、木本来の色合いや木目をそのまま活かした木材のことです。
主にヒノキ・スギ・ヒバなど木目の美しい木が使われ、日本では和室の柱や神社の建築、寿司店のカウンターなどに取り入れられています。白木によって、清らかさや木の美しさを表現できます。
そして白木の建造物といえば、伊勢神宮。
伊勢神宮では、遷宮といって、20年ごとに新しい社殿を建て替えます。時間がめぐり、生命が受け継がれていくことを実感しますね。
また、日常の暮らしでも家具や桶、ヒノキ風呂、障子の枠など、白木が多く使われてきました。
フィンランドもまた、木をそのまま生かす文化を持っています。
もともと階級社会ではなく、富を誇示するための豪華な装飾を必要としなかったことが、白木の文化につながったのではないかと推測できます。
ラハティのシベリウスホールなど、現代建築でも白木の美しさを生かしたデザインが多く見られます。
木工品と職人たち
日本はタンス、桶、漆器など、多様な木工品が生活に根づいてきました。
フィンランドでは、ククサや白樺皮のかごなど、自然素材を活かした実用品が今も愛されています。
どちらも自然の色や手触りを生かす姿勢が感じられます。
また、日本の昔ながらの職人は、道を極めるタイプのスペシャリスト型が多いです。
一方、フィンランドの木工職人は「デザイナー」「アーティスト」として、自分の付加価値を見出すジェネラリスト型が多いです。
彼らは、職業学校でビジネスや企画も学び、発信力や市場対応力に長けています。
おわりに
日本とフィンランドは、同じく木と共に生きてきた国。木造建築や白木を好む文化など多くの共通点も見えてきました。
木を活かす知恵や感性は、現代の暮らしにも活かせる宝物です。
あなたも、木の温もりを感じる時間を取り入れてみませんか?
編集後記
私は着物を着るので、着物の収納には桐ダンスを愛用しています。
桐の木は柔らかく細かい繊維を持っていて、湿気の多い時には水分を吸い、乾燥すると吐き出す性質があります。
桐ダンスは湿度管理に優れているので、着物を安心してしまっておけるのです。今は便利な収納用品が次々に登場していますが、「着物の収納と言えば桐ダンス」という感覚は、現代でも変わりません。やっぱり木の力ってすごいなぁと感じます。
こうした知恵を未来につなげていくことで、現代を生きる私たちと木との関わりは、もっと豊かになっていくのかもしれませんね。
(執筆:橘茉里)
こんにちは、エラマプロジェクトです。
一年で最も日が長い「夏至」、そして日光が降り注ぐ夏は、太陽と私たちの暮らしを見つめ直す良い機会です。
特に日照時間の差が大きい日本とフィンランドでは、太陽との付き合い方にも文化的な違いが表れています。
今回は、両国の夏至をめぐる文化や太陽との付き合い方から、心と身体を整えるヒントを見つけていきましょう。
太陽光を浴びると、どんな効果があるの?
太陽の光は、私たちの心と身体にさまざまな恩恵をもたらします。
気分を明るくし、体内時計を整え、ビタミンDを生成して骨や免疫を守ってくれる力があります。
フィンランドの冬は、日照時間が極端に短くなる季節。光を浴びない時間が続くと、気分が沈みがちになり、季節性うつ(冬季うつ)を引き起こすこともあります。
だからこそ夏の太陽光は特別で、フィンランドの人たちは「とにかく日差しを浴びたい」という思いがとても強いのです。
ただし、日光を浴びすぎることで、日焼けや皮膚へのダメージもあるので、適度な付き合い方が大切です。
夏至の日照時間と比べると
一年で最も日が長いのは「夏至」ですね。
フィンランドの夏至の日照時間は、南部(ヘルシンキ)で約19時間。北部(イナリ)では日の出・日没はなく、24時間ずっと太陽が沈まない「白夜」となります。
一方、日本(東京)の日照時間は約14.5時間ですが、梅雨の影響で実際の体感はそれより短く感じられるかもしれません。
夏至の過ごし方は?

フィンランドでは、夏至は一年のうちでとても重要な日で、「夏至祭(ユハンヌス)」が行われます。
夏至祭では、2~3メートルの火柱が立つ大きな焚き火(コッコ)を囲み、悪霊や悪運を払って豊作を祈願します。
夏至には、たくさんの人が森や湖のそばのコテージで自然とともに過ごします。
この頃から大人も夏休みに入ることが多く、2~4週間ほどの長期休暇を取ることもよくあります。
それに対して、日本には全国的に有名な夏至の行事はありません。
しかし、伊勢の神社で夏至祭が行われたり、関西ではタコを食べる習慣があったりと、地域ごとに独自の風習が見られます。
夏至から11日目を「半夏(はんげ)」と言い、この日までに田植えを終えないと収穫が半分になる、という「半夏半作」の言い伝えがあります。
太陽の神話を比べると
日本はその名の通り「日の本の国」です。
聖徳太子が古代中国の皇帝に送った国書では、日本の天皇のことを「日出づる処の天子(=太陽が昇る国の天子)」と表現しています。
太陽は、私たち日本人のアイデンティティともいえる存在なんです。
『古事記』などの神話に登場する天照大神(アマテラス)は皇室の祖神であり、太陽神としての側面もあります。
また、私たちは日常的に「お日様」「お天道様」と呼んで、太陽を身近な存在として敬ってきました。
一方、フィンランドでは太陽神の存在感はやや控えめです。
フィンランドにも豊穣や生命の源とされる太陽の女神パイヴァタルがいますし、叙事詩『カレワラ』の冒頭には、大気の乙女の膝の上で鳥が卵を産み、その卵の黄身が太陽に、白身が月になったという神話があったりします。
しかし森と湖の国であるフィンランドの神話では、太陽よりも水の方がモチーフになることが多いのです。
太陽との付き合い方の違いは?
日本では、日差しを避ける「美白文化」が根強くあります。
日傘や日焼け止めは夏の定番アイテムで、白い肌は美しさや上品さの象徴とされてきました。
対してフィンランドでは、夏の光を積極的に浴びる文化が根付いています。
テラス席ではパラソル無しで太陽を楽しむ人も多いです。
冬の暗さを乗り越えるため、夏の太陽光を「精神の栄養」として余すところなく味わうのです。
おわりに
日本とフィンランドでは、太陽との付き合い方に違いがありますが、どちらの国も自然との営みの中で太陽と向き合ってきました。
太陽光を浴びることにも、避けることにも、どちらにも文化的な意味があります。
自分に合った方法で太陽を生活に取り入れて、心と身体を整えていきましょう。
編集後記
うちの寝室には、カーテンを取り付けていない小窓があります。その小窓から日光が入るので、夏の時期は日の出を迎える4時台から部屋が明るくなります。
そのせいなのか、夏場は早くに目が覚めます。
日の出が遅い冬場はなかなか目覚められないので、人の暮らしは太陽とともにあるんだなぁと実感します。
不思議なもので、朝いちばんの光に包まれて目覚めた日は、それだけで心が軽くなります。
太陽の光は、ただ部屋を明るくしてくれるだけではなく、「今日も一日が始まった」と私のスイッチを入れてくれる気がします。
私たちは太陽のリズムの中で生きている。その壮大さに感謝の気持ちが湧いてきます。
そんなことを、小さな窓から差し込む朝日の中でしみじみと感じたのでした。
(執筆:橘茉里)
こんにちは、エラマプロジェクトです。
現代は情報があふれ、つい「頭で考える」ことに偏りがちです。そんな今だからこそ、「五感で感じること」に目を向けてみませんか?
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚。 この五つの感覚は、私たちが世界と出会い、つながるための入り口です。
森林率が世界トップクラスで、自然と共に生きてきた日本とフィンランドは、五感の使い方にも独自の美学と文化が息づいています。
今回は、両国の五感文化を通して、豊かに生きるヒントを見つけてみましょう。
五感を養うと、なにが変わる?
五感を意識して暮らすと、創造性や感受性が育ち、私たちの人間としての成長を促してくれます。
例えば、
・現実を深く理解する:世界とのつながりを実感できる
・感情や感受性が豊かに:美しいもの、心地よいものに心が動く
・ひらめきを生む:感覚の刺激が創造性を育てる
・ストレスを軽減する:香りや手触りが、心と体を整える
・コミュニケーションが円滑に:感受性が高まることで、他者との関係も深まる
こうした五感の豊かさを、日本とフィンランドはどんなふうに育んできたのでしょうか?

視覚:引き算の美、余白の力
日本の「わびさび」を感じさせるデザイン、フィンランドの「シンプルで実用的」なデザイン。どちらも、余白や静けさに美を見出す感性が根付いています。
また、日本では渋く落ち着いた色合い、フィンランドでは雪や湖、森の色といった自然の色使いが好まれます。
華美に飾り立てるのではなく、「引き算」の発想で創られたデザインは、見る人の想像力を育ててくれます。
聴覚:虫の声と、静寂とロック
日本では、虫の音を「声」として聴き、自然と共にある感覚が大切にされています。虫の音を「言葉」として受け取る文化は、世界的にも珍しいものです。
一方フィンランドは「静けさ」を重んじる国ですが、同時にハードロックやメタル音楽の盛んな国でもあります。静と動、両方を大切にするその文化は、感覚の幅の広さを感じさせます。
嗅覚:自然の香りを味わう
日本では古くから、匂い袋や練香など、天然の草木を用いたお香の文化が発達してきました。今でも香りを通じて心を整える知恵が受け継がれています。
フィンランドでは、焚き火、スモークサウナ、森、ベリーの香りなどが暮らしの中に溶け込んでいます。コーヒー消費量が多く、コーヒーの香りも日常の一部です。
どちらの国も、自然な香りに重きを置いている点が共通しています。
味覚:旨味と素材のちから
日本は「うま味」という味覚を大切にし、出汁を使って味に奥行きを出します。「UMAMI」は今や世界で通じる言葉となりました。
フィンランドの料理は、塩、胡椒、ハーブなどを使ったシンプルな味付けで、素材そのものの味を活かします。ライ麦パンやサワークリーム、塩漬けの魚やチーズなど、酸味や塩味が日常の味です。
触覚:手で感じる、暮らしの温度
日本家屋は、畳や障子、木の柱など植物由来の素材から成るため、それらに触れる習慣があり、自然素材を身近に感じる文化があります。
フィンランドでは、ウールやリネン、木工製品、そして編み物の文化が根強く、「編む」という行為そのものが心を整える時間になっています。
どちらも「手で触れること」を大切にし、そこから得られる安心感を暮らしに取り入れているのです。
今、五感を見直す意味とは?
風土も歴史も違う日本とフィンランドですが、どちらの文化にも共通しているのは、自然とともにあること。
自然の音に耳を澄まし、香りを感じ、食を味わい、素材に触れる。
そんな丁寧な暮らし方が、五感を通して見えてきます。
遠い国同士のようでいて、実は心の奥深くでつながっている日本とフィンランド。その文化を知ることは、自分自身の感覚を広げていくことでもあります。
エラマプロジェクトでは、「和フィン折衷」という視点から、五感を養うことを「自分自身と向き合う行為」と捉えています。
日本の繊細な感性とフィンランドの静かな強さ。その両方を感じながら、自分にとって心地よい感覚を見つけ、日々の中で五感を大切にすることが、今を生きるヒントになるかもしれません。
編集後記
窓を開けて網戸にしていると、うちの猫たちはそっと窓辺に近づいて、その大きな瞳で外の様子をじっと見つめます。
鳥のさえずり、風に乗ってくる匂い、肌に触れる外気の気配、人の行き交う音。
彼らは五感をめいっぱい使って、外の世界を感じ取ろうとしているのです。
そんな姿を見ていると、「私は日々、自分の感覚をちゃんと使えているだろうか?」という問いが湧いてきます。
PCやスマホに頼って、自分の五感を置いてきぼりにしていたかも……。
そんな自分に気づいたら、「今日は香りを楽しんでみよう」「音に意識を向けてみよう」と、五感を大切にしたいなと思います。そういう小さな選択が、暮らしをさらに豊かにしてくれる気がします。
ぜひみなさんも、今まで以上に五感を大切に過ごしてみてください。今日という日が、あなたによって優しく豊かな感覚に包まれたものでありますように。
(執筆:橘茉里)

※この記事は、2025年5月8日のエラマのYouTubeチャンネルでLIVE配信した無料講座の内容をコラムとしてまとめています。
YouTubeのアーカイブ動画はこちら
「心の闇」と聞くと、少し重たいテーマに感じるかもしれません。しかし、誰にでも訪れる可能性のあるこの感情とどう向き合っていくかは、現代社会を生きる私たちにとって大切な視点ではないでしょうか。
今回の「和フィン折衷ゼミ」では、「心の闇」をテーマに、和文化とフィンランド文化それぞれにおける捉え方や向き合い方、そして解消法について深掘りしていきます。
心の闇とは?ネガティブな感情から過去のトラウマまで
まず、「心の闇」とは具体的に何を指すのでしょうか。一般的には、以下のようなものが挙げられます。
・ネガティブな感情や思考: 怒り、不安、絶望など
・平静を装う状態: 内心では怒りや悲しみを抱えながらも、表面的には平静を装うこと
・過去の傷やトラウマ
・他人に見せない内面: 表と裏で異なる顔を見せること
・誰にでもあるもの: 特定の人だけでなく、人間誰しもが持ちうるもの
特に、日本には「五月病」という言葉があるように、季節の変わり目や環境の変化によって心が揺らぎやすい側面もあります。
心の闇と向き合う文化:和文化とフィンランド
和文化とフィンランド文化では、この「心の闇」とどのように向き合ってきたのでしょうか。
和文化における心の闇との向き合い方
日本では古来より、心の闇と向き合うための様々な文化や習慣が育まれてきました。
・和歌: 喜びだけでなく、悲しみや苦しみといった感情も歌に詠むことで、心の闇と向き合ってきました。古今和歌集の序文には「やまとうたは、人の心を種として、よろづの言の葉とぞなれりける」とあり、歌が人の心から生まれるものであることが示されています。
・道を極める(座禅など): 茶道や武道、そして座禅といった「道」を極める行為は、自分自身と向き合い、悟りを目指す中で、心の闇とも対峙するプロセスを含んでいます。
・日記文学: 平安時代の女流文学などに見られるように、日記に自らの苦悩や葛藤を綴ることで、心の闇を表現し、昇華しようとする試みもありました。例えば、藤原道綱母の『蜻蛉日記』は、夫との関係に悩み苦しむ心情が赤裸々に描かれています。
フィンランド文化における心の闇との向き合い方
一方、フィンランドでは以下のような形で心の闇と向き合っています。
・読書: フィンランドは国民の読書量が非常に多く、図書館の利用率も世界トップクラスです。図書館は「第三の場所(サードプレイス)」として重要な役割を担っており、静かに自分と向き合う時間を提供しています。
・アート: フィンランドでは、アートが生活に根付いています。プロの芸術家だけでなく、一般の人々も文化活動に積極的に参加し、絵画や音楽などを通して内面を表現します。
・サウナ: フィンランドのサウナは、単に体を温めるだけでなく、静かに自分自身と向き合い、本音を語り合える場所でもあります。暗く静かな空間で、心の闇と対話する時間となることもあります。
心の闇とアート:表現することで見えてくるもの
心の闇は、アート作品の重要なテーマともなり得ます。
和文化におけるアートと心の闇
・文学作品: 夏目漱石や太宰治、芥川龍之介といった文豪たちの作品には、人間の内面の葛藤や苦悩、孤独といった「心の闇」が深く描かれています。
・古典芸能: 能や歌舞伎などの中にも、人間の情念や業といったものが表現され、観る者に深い共感を呼び起こします。
フィンランド文化におけるアートと心の闇
・ムーミン: 世界中で愛されるムーミンの物語には、実は奥深い哲学や、登場人物たちの抱える孤独や不安といった「陰影」も描かれています。大人になってから読むと、新たな発見があるかもしれません。
・タンゴ: アルゼンチンタンゴとは異なる、哀愁漂うフィンランドタンゴは、魂の叫びや失恋、望郷の念といった感情を表現する音楽として親しまれています。一説には、タンゴの発祥はフィンランドではないかという説もあるほどです。
・ヘヴィメタル: フィンランドはヘヴィメタル大国としても知られています。激しい音楽を通して、心の奥底にある感情を解放する手段となっているのかもしれません。
心の闇を解消する方法:光を見出すヒント
では、実際に心の闇を感じた時、どのように解消していけば良いのでしょうか。
和文化における解消法
・邪気払い: 節分や大晦日など、季節の節目に行われる行事には、邪気を払い、新たな気持ちでスタートするという意味合いが込められています。
・涙を流す: 古典文学などにも見られるように、悲しい時や辛い時に涙を流すことは、感情を解放する一つの方法として捉えられてきました。武士でさえも、時には涙を流したとされています。
・飲酒: 日本には古くから酒を楽しむ文化があり、「憂さを晴らす」といった言葉もあるように、適度な飲酒が気晴らしとなることもあります。ただし、飲みすぎには注意が必要です。
フィンランド文化における解消法
・太陽光を浴びる: 冬の日照時間が短いフィンランドでは、太陽光を浴びることが非常に重要視されています。光線療法(ライトセラピー)も治療法の一つとして取り入れられています。
・ヘヴィメタルを聴く・演奏する: 前述の通り、ヘヴィメタルは感情を爆発させる手段として機能していると考えられます。
焚き火やキャンドル: 暗い冬の長い夜、焚き火やキャンドルの温かい光は、心を落ち着かせ、闇を照らすぬくもりとなります。
・外気浴: サウナの後に外気にあたることは、心身をリフレッシュさせ、フラットな状態に戻す効果があります。特に、ありのままの自分で自然の中に身を置くことは、解放感につながります。
個人的におすすめの心の闇解消法
最後に、出演者それぞれが個人的におすすめする心の闇との向き合い方をご紹介します。
マリ先生のおすすめ:
・悲しみに浸って飽きるのを待つ: 無理に浮上しようとせず、感情に身を任せ、自然と心が落ち着くのを待つ。
・わざと号泣する: 泣ける映画などを観て思いっきり泣き、感情を解放する。
石原のおすすめ:
・外気浴: 温泉やサウナの後、ありのままの姿で外気に触れることで、心身ともにリフレッシュし、フラットな状態になる。
まとめ:心の闇と光のバランス
心の闇は、決して特別なものではなく、誰にでも訪れるものです。大切なのは、その闇とどう向き合い、自分なりの光を見つけていくかということ。和文化とフィンランド文化、それぞれの知恵を参考にしながら、自分に合った方法で心のバランスを整えていけると良いですね。
会員制コミュニティ「エラマの森」では、このような深い学びのコンテンツを、動画で、コラムで毎日配信しています。

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フィンランドの豊かな暮らしと日本の豊かな文化を学び、実践することで、「わたし」の心、頭、体を整える第二の故郷のような場を提供しています。
オンラインでの講座や瞑想、専門家によるコラム、そして飛騨高山でのリアルな体験など、あなたの「エラマ(フィンランド語で「人生・生活」)」を豊かにするヒントがきっと見つかります。
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2025年5月3日〜5月5日、新緑が美しい飛騨高山で、エラマの森の住民さん限定のオフ会を開催しました。
エラマの森は、フィンランドの豊かな暮らし方や日本の文化にヒントを得ながら、「わたし」の心と体を整え、日々の暮らしを豊かにするためのオンラインコミュニティ。オンラインでの学びや交流に加え、年に数回、こうして飛騨高山の自然の中で実際に集う機会を設けています。
今回のオフ会も、そんなエラマの森ならではの温かい時間に満ち溢れていました。
焚き火、サウナ、そして太陽の下の語らい
GWの飛騨高山は、幸いにも天候に恵まれ、参加者の皆さんと共に充実した3日間を過ごすことができました。
拠点となったのは、広々とした古民家「太陽の家」。ここでは、まるでフィンランドにいるかのような体験が待っていました。
夜には、満天の星空の下、焚き火を囲んで語り合ったり、フィンランドのカードゲームを楽しんだり。普段の忙しい日常ではなかなかできない、「余白」のある時間を共有しました。

何もしない贅沢、自然と一体になる喜び
翌日は、近くの広場へピクニックへ。
特別なアクティビティがあるわけではありません。ただ、ウォーキングコースを散策したり、川のせせらぎに耳を傾けたり、そして、芝生の上に直接寝転がって、ただ空を眺める。
そんな「何もしない贅沢」を味わいました。
参加者の中には、本当に気持ちよさそうにうたた寝をする方も。
都会の喧騒から離れ、自然の中に身を置くことで、心も体も解き放たれていくのを感じました。

エラマの森が目指すのは「コンヴィヴィアルなコミュニティ」
今回のオフ会を通じて改めて感じたのは、エラマの森が目指している「コンヴィヴィアルなコミュニティ」の姿です。
「コンヴィヴィアリティ」とは、思想家イヴァン・イリイチが提唱した言葉で、「自立した個人同士が、創造的に共に生きるあり方」を意味します。それは、誰かに依存するのではなく、それぞれが自分らしさを大切にしながら、お互いを尊重し、心地よく繋がっていく関係性です。
オフ会では、参加者一人ひとりが自分のペースで過ごしながらも、自然と会話が生まれ、笑い声が響き、時には深い話にまで発展する場面もありました。それぞれが違う興味や背景を持ちながらも、どこか根っこの部分で繋がっているような、温かい一体感がありました。
それは、用意されたプログラムをこなすのではなく、その場の空気や気分に合わせて、みんなで「今、何をしたいか」を考え、行動する。そんな自由で主体的な関わり合いの中にこそ、コンヴィヴィアルな豊かさが生まれるのだと思います。

また次の「豊かな時間」でお会いしましょう
今回のオフ会には、遠方から2匹のワンちゃんも参加してくれ、私たちに普段とは違う世界を見せてくれました。また、少し肌寒かった山の気候のおかげで、思いがけず満開の桜に出会うという嬉しいサプライズも。
エラマの森では、オンラインでの学びや交流はもちろん、こうしたリアルな場での体験を通じて、皆さんと一緒に「豊かな生き方」を探求していきたいと考えています。
次回の飛騨高山オフ会は、来年2026年のGWを予定しています。
「わたし」を見つめ、心と体を整える時間を、ぜひ一緒に過ごしませんか?
エラマの森に興味を持たれた方は、ぜひコミュニティの詳細もご覧ください。
あなたとの出会いを、心よりお待ちしています。

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先週末、4月12日(土)・13日(日)の二日間にわたり、島根県出雲市にて開催いたしました「北欧フィンランド旅と学びのマルシェ」。おかげさまで、たくさんの方々にご来場いただき、大盛況のうちに幕を閉じることができました。ご参加くださった皆様、そして素晴らしい会場をご提供くださったコワーキングハウス・マヤッカの平田萌さん、誠にありがとうございました!
今回のマルシェは、エラマプロジェクトとして初めての島根開催。フィンランドをテーマにしたコワーキングハウス「マヤッカ」さんとの共同開催という、私たちにとっても特別な機会となりました。
「和」と「フィンランド」が心地よく調和する空間

会場となったマヤッカさんは、JR出雲市駅から徒歩5分という好立地にありながら、一歩足を踏み入れると、まるでフィンランドの家庭に招かれたような温かい空気に包まれます。
木のぬくもりと北欧デザイン、そして日本の古民家が持つ落ち着きが見事に調和した「和フィン折衷」の空間。風通しも良く、窓から差し込む光も心地よくて、思わず長居してしまう…そんな居心地の良さが印象的でした。ここは単なるコワーキングスペースではなく、訪れる人の心に寄り添う「居場所」なのだと感じました。皆さんにも、ぜひ一度訪れていただきたい、心からおすすめできる場所です。
学びと対話、そして出会い。熱気に包まれた講座
二日間を通して開催した3つの公開講座。
・北欧の子育て教育入門講座(講師:石原侑美)
・フィンランド旅行体験談(講師:平田萌)
・フィンランド働き方入門講座(講師:平田萌)
これらの講座には、のべ30名を超える方々にご参加いただきました。嬉しいことに、今回初めてエラマプロジェクトのイベントにご参加くださった方がほとんど!出雲市内や島根県内からはもちろん、遠くは広島から片道3時間かけて、また山口から泊まりがけで駆けつけてくださった方もいらっしゃいました。中国地方の皆さんの、北欧への関心の高さを改めて感じることができました。
教育講座では、
「この地域では北欧のことを学びたくても学ぶ機会がなかったので、本当に嬉しいです」
「昨晩徹夜だったので、今日の講座は途中で寝てしまうかと心配でしたが、石原さんのお話が面白すぎて、寝る隙なんて全くありませんでした!」
といった、熱のこもったご感想をいただきました。
また、デンマークのフォルケホイスコーレに留学経験のある参加者の方からは、
「北欧での滞在で感じていたけれど、言葉にできなかった感情が、石原さんの講座を聞いて全て言語化されたような感覚になりました」
という、私たちにとっても非常に示唆深い、嬉しいお言葉をいただくことができました。
平田萌さんによる旅行講座には、15名を超える女性が集まり、会場は「いつかフィンランドへ!」というワクワクした空気でいっぱいに。働き方講座では、参加者の皆さんが抱える悩みや想いを率直に語り合い、予定時間を超えても対話が止まらない様子でした。
フィンランドの風を日常に

講座以外にも、フィンランドの研究家・石原侑美が現地で買い付けた雑貨や、飛騨高山から出張した「エラマ bouzuコーヒー」の北欧コーヒー、フィンランドの写真展、無料の旅行相談会など、様々な角度からフィンランドを感じていただけるコンテンツをご用意しました。
今回のマルシェが、フィンランドの文化や考え方に触れ、ご自身の働き方や生き方、日々の暮らしを見つめ直すきっかけとなっていれば、これ以上嬉しいことはありません。
ご参加いただいた皆様、そして素晴らしい機会をくださったマヤッカの平田萌さん、重ねて心より感謝申し上げます。 Kiitos paljon!
エラマの学校、次はあなたの街へ?
さて、エラマプロジェクトがお届けする「北欧体験」は、まだまだ続きます!
★4月20日(日) 兵庫・神戸
【北欧ウェルビーイング入門講座&ミニマルシェ】
築60年の酒屋をリノベーションした素敵な空間「heso.」で、北欧の暮らしやウェルビーイングについて学び、雑貨やコーヒー、手仕事に触れる一日。
★4月26日(土)・27日(日) 福岡・赤坂
【北欧の働き方&ウェルビーイング入門講座】(26日)
【フィンランドの教育入門講座(ランチ付き)】(27日)
働き方、教育、ウェルビーイング…北欧の知恵を二日間にわたってたっぷりお届けします。
各イベントの詳細は、「エラマの学校」のページでご確認いただけます。
ぜひチェックして、お近くの会場へ遊びにいらしてくださいね!
あなたの街で、お会いできる日を楽しみにしています。

2025年3月22日(土)、春の訪れを感じる穏やかな日差しの中、富山県南砺市の桜ヶ池クアガーデンにて、「北欧ウェルビーイング講座 in 富山・南砺」を開催いたしました。
本イベントは、フィンランド生涯教育研究家・石原侑美による講座と、南砺市の豊かな自然と食を体験できるプログラムを通じて、参加者の皆様に北欧流のウェルビーイングを体感していただくことを目指したものです。
当日は、富山県内(南砺市、富山市など)をはじめ、近隣の岐阜県高山市、さらには東京都からも、20代から80代まで幅広い年齢層の24名の方々にご参加いただきました。
なぜフィンランドは幸せなのか?教育と働き方から見えてくるウェルビーイングの本質
午前中は、エラマプロジェクト代表・石原侑美による「フィンランド式ウェルビーイング講座」を開催。
「なぜフィンランドは世界幸福度ランキングで常に上位にランクインするのか?」「34歳という若さでマリン首相が誕生した背景には何があるのか?」「仕事の生産性を高めるために、なぜウェルビーイングが重要なのか?」
石原は、自身のフィンランドでの研究と経験に基づき、これらの疑問を一つひとつ丁寧に解説。教育現場や働き方における具体的な事例を紹介しながら、フィンランド流ウェルビーイングの神髄を参加者の皆様に伝えました。
参加者からは、
「フィンランドの教育や働き方に対する考え方に感銘を受けました。自分自身の働き方を見直す、良いきっかけになりました」(30代・女性・会社員)
「『ウェルビーイング』という言葉は知っていましたが、今回の講座と体験を通じて、頭でも体でも理解することができました」(40代・男性・公務員)
「大学卒業後は地元に戻りたいと考えていましたが、今回のイベントで富山でやりたいことが見えてきました!」(20代・女性・大学生)
といった感想が寄せられ、熱心にメモを取ったり、積極的に質問したりする姿が印象的でした。
講座の後半では、参加者同士のグループワークを実施。フィンランドのウェルビーイングの考え方を、自分自身の生活にどのように取り入れることができるか、活発な意見交換が行われました。
五感を刺激する!南砺の豊かな自然と食を堪能
ランチタイムには、会場となった桜ヶ池クアガーデンのシェフが腕を振るう、地元食材をふんだんに使用した特別メニューをご用意。南砺市特産の干柿を使った料理も登場し、参加者の皆様に大変好評をいただきました。
「地元食材を使ったランチが本当に美味しくて、南砺市の魅力を再発見できました。参加者の方々とも色々お話できて、とても良い刺激になりました」(40代・女性・主婦)

午後からは、希望者を対象に、桜ヶ池湖畔の散策へ。
穏やかな湖面を眺め、鳥のさえずりに耳を澄ませ、春の息吹を感じながら、ゆったりとした時間を過ごしました。
「自然の中で過ごす時間の大切さを改めて感じました。心がすーっと軽くなり、リフレッシュできました。これからは、日々の生活でも、ウェルビーイングを意識して過ごしたいです」(50代・男性・自営業)

地域との温かいつながり
今回のイベントでは、地元のプロの三味線奏者をお招きし、南砺市に伝わる民謡の演奏を披露していただきました。心に響く三味線の音色に、参加者の皆様は聴き入っていました。
イベントを通じて得られた成果
今回のイベントを通じて、以下の成果が得られたと考えています。
1、新たな地域ファン層の獲得:
富山県外からの参加者も多く、南砺市の自然、食、文化に触れることで、新たな地域ファンが生まれるきっかけとなりました。
2、地域内におけるウェルビーイング意識の向上:
県内在住の参加者が、フィンランドのウェルビーイング思想を学ぶとともに、地元の魅力を再認識することで、地域への愛着を深めました。
3、参加者同士の交流促進とコミュニティ形成:
ワークショップやランチ、散策といったプログラムを通じて、参加者同士の活発な交流が生まれ、新たなつながりが生まれました。
4、地域資源の再評価と活用促進:
地元食材を活用したランチや、桜ヶ池という地域資源を活かしたプログラムは、南砺市の魅力を効果的に発信する機会となりました。
5、ウェルビーイングへの関心層の拡大:
本イベントの開催情報を様々な媒体を通じて発信したことで、これまでウェルビーイングに関心のなかった層への認知を広げることができました。
最後に
ご参加いただいた皆様、桜ヶ池クアガーデンの皆様、そして、このイベントを支えてくださった全ての関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。
エラマプロジェクトは、今後も「ウェルビーイング」をテーマに、様々なイベントやプログラムを企画・開催してまいります。
今回のイベントが、参加者の皆様にとって、そして南砺市、富山県にとって、より豊かで幸せな未来への一歩となることを願っています。

今後のイベント情報
エラマの学校は、全国各地で「北欧ウェルビーイング」をテーマにした講座やワークショップを開催しています。
直近では、3月29日(土)13:00より、兵庫県丹波市にて「北欧・バルト三国入門講座」を開催いたします。
詳細・お申し込みは、エラマの学校Webページをご覧ください。

昨日のニュースで、今年もまた、フィンランドが「世界幸福度ランキング」で首位を獲得しました。8年連続という、もはや揺るぎない地位を確立したと言えるでしょう。しかし、この輝かしい結果の裏側には、どのような現実があるのでしょうか?
私たちは、このニュースを単純に祝福するだけではなく、少し立ち止まって考えてみる必要があるかもしれません。
「暮らしやすさ」=「幸福」?
確かに、フィンランドは社会システムが整っており、人々は穏やかで、比較的安全な国です。しかし、これらの要素は、果たして「幸福」という感情に直結するのでしょうか?
長年フィンランドの現地調査を行っている、エラマプロジェクトの石原侑美は、ある疑問を投げかけています。
「『世界一幸せな国』というイメージが、かえってフィンランドの人々を苦しめているのではないか?」
過度な期待、そして、それにそぐわない些細な出来事が、「本当に幸せなの?」という疑念を生み出してしまう…。
真の豊かさを求めて
エラマプロジェクトでは、「幸福」とは何か、そして、真に豊かな生き方とは何かを、多角的な視点から探求し続けています。
今回のランキング結果についても、表面的な情報だけでなく、フィンランドの社会が抱える課題や、人々のリアルな声に耳を傾け、深く掘り下げていく予定です。
今後のエラマプロジェクトの活動にご期待ください。

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